MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第77話 学園最強……逃走
◆◆◆
《鳳凰学園高等部1年1組》
最強生徒総会長様が突然現れて、華麗に事態を収拾するかと思いきや、暴走族のバイクをパクって走り去って行った光景を見て、
不良達&生徒達「「「「…………」」」」
みな言葉を失って唖然としている。
不良達が唖然としている間に、囲まれていた女生徒2人は、そそくさと校舎内に駆け込もうとしていた。
勇人をよく知る者達は窓の外を半眼で見つめ、それからバイクをパクられていきり立った暴走族達が逆上して、バッドやらナイフやらを振り回している光景を見て。
フェイト「………まぁ、死人が出なかっただけマシ、なのかな?」
なんてことを呟いたフェイトに賛同するように、勇人の知り合い達はうんうんと頷いた。
すると勇人をあまり知らないクラスメイト達もうんうんと頷き、
小毬「神爪くんが怪我しなくてよかったね」
と、神北小毬がみんなを代表して言った。
それにリトルバスターズは彼女達の方を見て、
理樹「いや、死ぬのはそっちじゃないんだけどね」
小毬「ほぇ?」
恭介「つーか、勇人の奴があいつら始末しなかったとすると、こいつぁもう警察が来て終わりか」
純一「警察以前に、教師達は何やってんだ?」
と、話していたところで突然、校内放送のスピーカーから声が響く。
『えー、マイクテス、マイクテス――学園長、もう放送始まってますぞ!――ん? そうなのか?――いい加減放送機器の使い方を覚えてください……――相変わらず教頭のクセに口煩い奴じゃのう。そんなんだから嫁さんが実家に帰ってしま――だからこれ学園中に流れてるっつってんだろーがぁぁぁぁぁぁ!!!!――あー、そうだったのぅ。すまんすまん。あー、みんな、今のは誤解じゃぞ。教頭先生は奥さんとは新婚のようにラブラブってお――んなフォローいるかああぁぁぁぁぁああああああっ!!!!―――』
というところで、一度放送が止まる。
そして再び放送が始まる。
『―――えー、改めまして、教頭に殴られた学園長です。教頭があの暴走族のボスなんじゃないかとワシは思っ――……学園長……――わかっておる。あー、もう分かっていると思うが、現在この学園は暴走族に襲われておる。じゃが慌てず騒がず、もうすぐ警察も到着するとのことなので、みな落ち着いて教室内にいるように。教頭先生は本当に奥さんとは仲睦まじく――だからフォローいらねぇっつってんだろぉぉぉぉぉぉおおおおおっ!!!!!!』
と、言って、放送が終わる。
謙吾「……学園側は何もしないつもりか?」
雄二「まぁ、この学園なら勝手に撃退しに行く生徒がゴロゴロいるからなぁ」
生徒会とか風紀委員会とか……。
「なめてんじゃねぇぞぉゴラァ!!」「マジで俺らの恐ろしさがわかってねぇよぉだなぁ!!」「いいぜ!! そっちがそのつもりなら、こっちも考えがあらぁ!!」「やっちまおうぜ!! バイクパクられて黙ってられっかよ!!」「そうだそうだ!! ナメられたまま終われっかよ!!」
なにやら勇人のせいでドンドン事態は悪化してしまっているようで、不良どもがバイクから降り、得物を振り回しながら校舎内へと押し寄せ始めてしまう。
それにクラスの女生徒達が「キャー」と悲鳴を上げ始める。
恭介「ヤバイな………」
恭介は呻くように言って、周りのみんなは慌てて立ち上がった。
緊急事態である。
まさか本当に校舎内に入ってくるとは誰も思っておらず悠長に構えていたのだが、今、暴走族達は、学園の校舎内に入ろうとしていて。
バッドやらナイフやら木刀やらを振り回しながら、校舎内に入ろうとしている…………
…………この、最強生徒総会長やら最恐のバーテンダーやら最凶の情報屋やら最狂の非公式新聞部やら最強風紀委員長等々の化け物揃いの鳳凰学園に暴走族が入ろうとしていて………
………みんなは震えた。
例えば、勇人が気まぐれにあの場を走り去らなかったらどうなっていたか、そしてこの学園にいる怪物達があの暴走族達が出会ってしまい、喧嘩を売られた時に起きそうな出来事を頭に思い浮かべて、みんなは震えた。
間違いなく、大量虐殺が起こる。
暴走族、皆殺し。
稟「………止めた方がいいんじゃないか?」
純一「……だな。平和島あたりに絡んだら、間違いなく殺されるだろ」
謙吾「杉並と折原は何をしでかすか分からんし……」
はやて「無駄に戦闘力高い人多いからな、この学園」
叶「ある意味この学園が一番危険なんじゃないか?」
準「確かにそうねぇ……」
真人「………止めに行くか?」
恭介「………そうだな」
と言って、彼らは教室から出ていく。
あの暴走族どもが………自分達が“最強”とか勘違いしてそうな中二病を患っている馬鹿どもが、皆殺しにされるかもしれないのだ。
助けてやる義理もないが、楽しいスクールライフを送りたい彼らは、
純一「何で俺達が攻め入ってきた暴走族を助けにゃならないんだ。かったるい」
と、ぼやきながら、歩いた。
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