MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第75話 いつものくだらねー日常の始まり
イメージOP 第3期
『FOR REAL』
◆◆◆
勇人達が高等部に進学してから、一週間が経過した。
学園でも町内でも喫茶店でも、勇人や彼に関わる者達の話題は島中に広がるのに然して時間がかからず浸透していったように、勇人達もまだ鳳凰学園に入学してから一週間しか経っていないというのに既に一年はいたんじゃないかと錯覚を覚える程に賑やかな毎日を過ごしていた。
だが、そんな朝の校庭を、バイクの集団がグルグル回っているのは初の出来事である。
パーラーラーパラリラパラリラリラ〜………と、かなり音程が不安定なゴッドファーザーのテーマを放ち、釘打ちバットや木刀を振り回しながら、
「ゴラァ!! 平雄でてこいやぁ!!」「獄高に上等くれといて無事済むってんじゃねぇだろうなぁ!!」「ビビりこいてんじゃねぇぞクラァッ!!」
などと叫んでいる。
そしてそれを教室の窓から眺めながら、
純一「相変わらず、不良漫画かよ………」
と、純一は突っ込んだ。
明久「今時の暴走族もゴッドファーザーのテーマとかやるんだなぁ」
稟「………そんなこと言ってる場合か」
鈴「おい馬鹿、あのうっさいのを何とかしてこい!」
真人「んだと鈴! 誰が馬鹿だ、あ゙あ゙!?」
鈴「お前以外に誰かいるのか馬鹿」
真人「誰が馬鹿だ!! 触りまくって馬鹿移すぞ!!」
鈴「うっさい!!」
―――――ゴスッ!!!!
やはりというか、いつも通りに真人が鈴に蹴り倒される。
ハヤテ「ヒナギクさんや古手川さん達も手を焼いてるようですね」
春菜「どうしよう、警察呼んだほうがいいかな?」
西蓮寺春菜は携帯を取り出し、それをぎゅっと握り締めるので、
リト「いや、まぁ、俺らが呼ばなくても先生が呼ぶと思うけど………」
と、結城リトは教室の前の方にある壁時計を見る。
時刻は8時12分。
最近の暴走族は随分と早起きだなぁ、なんて馬鹿な考えが頭を過るが、まぁどうでもいいことである。
恭介「まぁ、そんなに不安がらなくても大丈夫だろ」
上の階が教室の、高等部二年生の棗恭介がロープを使って、窓からこの教室に入り込んできた。
みんなの視線が恭介に向く。
恭介は窓の外、五月蝿くエンジン音を繰り音楽を奏でる暴走族な彼らを見て、
恭介「この学園は怪物ばっかだからなぁ。中でも生徒会は化け物だらけだから、あんまり五月蝿くしてるとアイツに殺されかね………」
が、言葉はそこまでだった。
なぜなら窓の外。
校庭に、この化け物だらけの学園の中でも一番質の悪い奴が現れてしまったから。
恭介「ほぉら、鳳凰の“最強”が御出座しだぜ」
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