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MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第70話 挨拶





◆◆◆




一時限の終了。教師が出ていくと同時に、大勢の男達が待っていましたとばかりに、2人の転校生の元へと駆け寄っていく。


長引いたホームルームから間を空けずに一時限目へと突入したため、みんながこのタイミングを待っていたようだ。





樹「前世の頃から愛していました!!」







稟「………誰かアイツを止めてやれよ」


麻弓「無理でしょ。目の前にニンジンぶら下げられた馬状態だもん」


楓「樹くん、活き活きしてますね」


純一「水を得た魚というか……」


勇人「麻薬を得たヤクザじゃね?」


ハヤテ「言い得て妙ですね」


楓「そ、それはいくらなんでも………否定は、出来ないですけど…………」


楓にこう思われてる時点で、樹の本性は確定だ。





◆◆◆




――――――キーン、コーン、カーン、コーン。





勇人「さて、昼飯の時間だな」


ことり「勇人くん、大丈夫ですか………?」


勇人「あ? 何が?」


ことり「何がって………」



心配気に声をかけたことりだが、勇人は特に何の変化もなかった。


学園中から来たんじゃないかと思えるような数の男子生徒が、休み時間の度に現れては転校生に群がっていく。


そしてもれなく、嫉妬と羨望、怒りと憎しみ、そんな愛憎溢れる視線を勇人と稟に送っていく。


その眼力のダメージか、稟は机に突っ伏して楓と悠希と桜に慰められていたが、勇人は特にダメージを受けた様子はない。




勇人「昼飯どーする? みんなで食うか?」


ことり「そうしましょうか♪」


勇人「う゛ぉーい、てめぇらぁ………」




勇人が声を出せば、見知った顔がぞろぞろと集まってくる。


リトルバスターズや管理局組やその他である。





稟「………あれ、樹は何処に……」



樹の姿を探してみれば、転校生4人を取り囲む人山の中から抜け出てくるのが見えた。


そして、それに続くようにしてその4人が姿を見せる。




樹「稟、勇人。シアちゃんとキキョウちゃんとネリネちゃんとリコリスちゃん、昼食一緒で問題ないよね」



わざとじゃないかと思えるほどの大音量で言われたその言葉に、男子全員の首がグルンと回った。


勿論、その全ての視線が勇人と稟へと集中する。殺気のオマケつきで………。




勇人「ああ、構わねぇよ。な?」


稟「ああ、いいんじゃないか」




勇人は周囲から殺気を飛ばしてくる野次馬共を更に強い殺気を飛ばして押し黙らせ、みんなと一緒に教室を出ていった。






◆◆◆



《屋上》




眞子「……今日はまた随分多いわね」


外で食べる時はいつも一緒に食っている眞子と萌を中心に、広げた敷物の上で腰を下ろした。



羨ましげにこちらを眺めやる連中の存在は、とりあえず忘れることにする。





シア「やっと勇人くん達と話せるね」


キキョウ「ホントに、脱け出す暇もなかったわ」


ネリネ&リコリス「「アハハ……」」



樹「とりあえず、勇人、稟」


勇人「あ?」

稟「なんだ?」


樹「殴っていいかい?」


稟「ダメだ」

勇人「当然殴り返して構わねーよな?」



麻弓「でも………いいの?」


シア「何がです?」


麻弓「もっと盛大に『きゃあー、稟くーん、会いたかったあぁぁぁぁ!!』とかいって飛び付いたりとか」


理樹「え、と。勇人と稟に会うため、なんだよね? 転校」



その言葉に、4人は顔を見合わせると照れたように舌を出した。



シア「あの……本音を言うとですね、すっっっっっっっっっっごくやりたかったんですけど………」/////


ネリネ「大勢の皆さんの前でそれをやってしまうと、勇人様にご迷惑がかかってしまうと思いましたので…………」/////


なのは「で、出来る………」


はやて「自らの本心を抑えてまでも、相手を立てようと尽くす女………」


フェイト「ライバルは手強いね! 頑張らないと!!」


樹「勇人」


勇人「あ?」


樹「殴っていいかい? 天に届くほど音高く」


勇人「あーん? テメェの骨をへし折られてぇのかぁ?」



フェイト「それにしても、みんな久しぶりだね!」


ネリネ「はい! フェイト様もお元気そうで」


アリサ「……て、フェイトもこの人達と知り合いだったの?」


フェイト「あ、うん。勇人と一緒に仕事してた時に………」



勇人「俺としては、稟がシアとリコリスと知り合ってたことが驚いたが」


シア「7年前、かな。お父さんの仕事関係でこっちの世界に来て、一緒に遊んでたんです」



樹「勇人、稟。君たちはいつ源氏物語計画なんて高度な技を身に付けたんだい? 俺様も誘ってくれよ。ズルいじゃないか」


稟「んな技身につけた覚えないわっ!」


勇人「つーか知り合ってすらねーだろーが」


樹「こんな羨ましい状況を2人締めなんてズルいじゃないか。殴っていいかい? 記憶を失うほど情熱的に」


勇人「殺すぞ」

稟「当然やり返す権利はあるんだろうな……」



シア「でも、稟くんの生活に無理に割り込むつもりはないんですよ。ねぇ、リコちゃん」


リコリス「うん。稟くんには今まで通りの生活を送ってくれれば」


キキョウ「まぁ、勇人に関しては特に言うことはないけど」


勇人「結構昔から決められたからな。ま、お前らがそれでいいなら構わねーが」


ネリネ「はい! もちろんです!!」


麻弓「神界は一夫多妻制だからねぇ、ハーレムでも問題ないだろーけど」


勇人「俺様のハーレム王国はまだまだ募集中だぜ?」


樹「勇人………」


勇人「却下。黙れ」



シア「とりあえず、まだまだ稟くんの恋人候補の身ではありますが、改めてまして、よろしくお願いします♪」


ネリネ「まだまだ不束者ではありますが、勇人様、よろしくお願いいたします」


勇人「応」


稟「えーと………まぁ、婚約がどうとかそういうのは別として、だけれど………こちらこそ、よろしく」







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