MAGI☆NIGHT〜Making Good Relations,OK?〜
第6話 町内会長
冬子「いらっしゃいませー!」
俺がスペシャル鴨南蛮(税込1280円)を食していると、この時間にオレら以外の客がきたようだ。
ちなみにレンはおにぎり(税込250円)を食べて、ことりは特に腹が減ってはいないのか茶を飲んでるだけだった。
冬子「あ、会長ー!」
少年「あれぇ、どうしたのじっさま」
会長「おお、何やら懐かしい気配が漂ってきたのでな」
そう言ったじいさんは、杖をつきながらコチラに歩き鴨南蛮を食ってる俺の横に足を止めた。
勇人「………?」
そのじいさんは何故か俺をじっと見ている。
勇人「……何だよ」
見知らぬじーさんにじっと見られるのはあんまし良い気分じゃねーぞ。
会長「久しいのぅ、勇人」
勇人「………あ?」
そのじいさんは何故か俺の名を口にした。
冬子「町内会長と知り合い?」
いや、俺には覚えがねぇよ。
会長「まぁ、分からんのも無理はない。アレから随分経ったからのぅ…ワシも大分老けた……」
勇人「あー…すまんが名乗ってくれないか? 誰かまったく分からな―――……いや待てよ。町内会長つったけ」
もう50年近く前だがこの島で、この商店街で町内会長というと俺には一人心当たりがあった。
勇人「………草十郎?」
草十郎「ようやく気付きおったか。ワシの顔を忘れるとは薄情な奴じゃのぅ」
勇人「いや分かるかよ。アレから何年経ったと思ってんだ……」
50年も経てば若造もじーさんになる。じーさんなんてどれも似たような顔じゃねぇか。
ことり「えーと……勇人君って、町内会長さんと知り合いだったんですか?」
勇人「あ、あぁ。まぁな…」
50年も前に出来た友人なんてのは言えねぇけどな。
少年「へぇー、じっさまと知り合いなんだ。引っ越してきたばかりなのに」
さっき冬子に伝票を投げ付けられた少年がそう言う。
結構痛いトコ突くな。
草十郎「随分前にも話したことがあるじゃろう、草輔。ワシの古い友人のことを」
「あー。それがこの人ね」とそれで納得した草輔と呼ばれた少年。
勇人「それにしても随分とお前……ハゲたな」
髪は長いが後ろ髪以外はツルッパゲである。
草十郎「ワシももう年じゃ、ハゲもするわい」
それもそうだ。
草十郎「久しぶりにあったのじゃし、ゆっくりと話したいが……」
草十郎は、俺を見た後ことりをチラリと一瞥して…
草十郎「フム。デートの邪魔をするのも悪いからのぅ。後日ワシの家に来るがよい。この店の向かいにある骨董品屋がワシの家じゃ」
草十郎は言いたいことは言ってもう用がないのか、スタスタと店から出ていった。
勇人「……デートじゃねー!!ってつっこんだ方がよかったか?」
ことり「えっと…そこで私に振られましても……」
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