明日の値段〜Lady Lennon〜 第4話 再会 ◆ ◆ ◆ バイクになのはとフェレットを乗せ、俺は当初の予定どおり一先ず高町家へ向かうことにした。 高町家に辿り着き、桃子や恭也と美由希、晶と蓮に約半年ぶりに再会した。 フィアッセは、半年前に開催したクリステラソングスクールの世界一周チャリティコンサートに行き、今は確かカナダ辺りにいるとかなんとか……。 晶と蓮はいつも通り、高町家に遊びにきたり下宿中だったり。相変わらず翠屋を手伝ったりしている。 桃子にまた仕事で海鳴に来た事を告げると、また家に泊まっていきなさいと若干有無を言わさない迫力を籠めてまた俺は再び拒否権無しでこの家に厄介になることにした。 いや、別に嫌というわけではない。只何となく毎回お世話になるのは少々アレかなぁーとか思ったりしているのだが、何なんだろうな。ま、金がかからない分俺も楽でいいのだが。お礼という訳ではないが翠屋の手伝いでもしようかね。 ◆ ◆ ◆ 仕事とはいえ久々に海鳴に足を運んだのだし、士郎の墓に花でも添えに行こうかなとか考えている間にいつのまにか夕飯の時間になりただじっと待っておくのも何だが居心地が悪く、俺も何か作ろうかと厨房に立つ女性陣(美由希以外)にお声をかけると 桃子 「勇人さんはお客さんなんだからのんびりとくつろいでて♪」 と、わざわざ自分のご機嫌をわかりやすく現わすように桃子は語尾に『♪』をつけて俺を再び座り心地は大変良いソファーに座り、何もすることがなく結局妙に居心地が悪い時間を送る羽目になってしまった。 話を聞くべきなのはも厨房に立っていて、フェレットはなのはの部屋。 仕方がないから俺は年に似合わないほど小さい頃から妙に爺臭く今正に目の前で茶を啜ってる恭也にここ最近の海鳴市について聞いた。 恭也 「ここ最近何かが起こっているのは察知していましたが、具体的なことまでは」 とのことだ。ま、恭也は剣士であって魔法使いではない。まだ『気』もまともに使いこなせていないから無理もないだろう。 それと俺はなのはとフェレットの事をそれとなく聞いてみた。 すると恭也は、誰にも聞かれていないかどうかを確認し、俺に顔を近付けヒソヒソと話す。 恭也 「……何となく、数日前からなのはに勇人さんと同じような感覚を受けました。あのフェレットからも…」 美由希も含めて他のみんなは気付いていないようですけどね。と、付け加えた。 やはり恭也は気付いていたみたいだな。なのはから発せられているあの異常な量の魔力。 ほんの半年前までは普通の一般人の子供だったはずなんだがなぁと考えている間にいつのまにか夕飯が運び込まれてきた。ま、この話は後にしよう。まずは飯だな。後に出てくる桃子のデザートに期待しつつ、俺はスプーンを手に取る。 今晩はオムライスか…… [*前へ][次へ#] [戻る] |