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異界への旅〜FAIRY TAIL〜
第17話 小犬座の星霊





◆◆◆




ルーシィ「まだ引っ越してきたばっかりで、家具もそろってないのよ。遊ぶモンなんか何もないんだから、紅茶飲んだら帰ってよね」



着替えて戻ってきたルーシィは、大層ご立腹な様子で紅茶を飲んでいる。





ナツ「残忍な奴だな」


ハッピー「あい!」


ルーシィ「紅茶飲んで帰れって言っただけで、残忍…って……」


勇人「……ま、こういう奴だ、諦めろ」



コイツらに常識を求めるだけ無駄だ。




ナツ「あ、そうだ! ルーシィの持ってる鍵の奴等、全部見せてくれよ」



なんて、ナツが思い付きでルーシィに聞いた。


簡単に言うなよ、星霊を召喚するのって結構魔力を使うんだからよ。




ルーシィ「鍵の奴等じゃなくて“星霊”よ」


ハッピー「ルーシィは何人の星霊と契約してるの?」


ルーシィ「6体」



ちなみに星霊は、1体、2体と数える。


ルーシィは持ってる鍵を机の上に、金色の鍵と、銀色の鍵を並べた。




ルーシィ「こっちの銀色の鍵がお店で売ってるやつ。時計座のホロロギウム、南十字座のクルックス、琴座のリラ。こっちの金色の鍵は“黄道十二門”っていうゲートを開ける超レアな鍵。金牛宮のタウロス、宝瓶宮のアクエリアス、巨蟹宮のキャンサー」


ナツ「Σ巨蟹宮!! カニかっぁぁぁぁぁっ!?」


ハッピー「カニぃぃぃぃぃ!!」


コイツら、ホント訳わかんねートコに食いつくのな。





ルーシィ「そーいえば、ハルジオンで買った“小犬座のニコラ”契約するのまだだったわ」



あー、あの愛玩星霊な。


ニコラってどう見ても小犬には見えねぇんだが…まぁ、そういう星霊も結構いるよなぁ。


何てことを考えてるうちに、ルーシィはナツに星霊魔導士が星霊と契約するまでの流れを見せるために、ニコラを呼び出して契約していた。





ルーシィ「そうだ! 名前決めてあげないと!!」


ハッピー「ニコラじゃないの?」


ルーシィ「それは総称でしょ」



「うーん……」と、頭を捻って名前を考えるルーシィに、





勇人「しゃぶ太郎なんてどうだ?」


ルーシィ「Σしゃぶ太郎って何!?」


勇人「いやー、何かそんな感じじゃねーか? どこぞの聖石使い辺りが命名しそうだろ」


ルーシィ「何の話……?」



……何となくそんな気がする。





ルーシィ「うん、プルー!」


ナツ「プルぅ?」


ルーシィ「なんか語感が可愛いでしょ!」



うん、それもアリだ。


そんな名前もつけそうな…いや、つけられたような気がするぜ。



なんて、くだらないことを考えてたら、突然プルーが踊り出す。


どうやらその踊りで何かを伝えようとしているが、ハッキリ言って意味不明だ。




ナツ「プルー!! お前、いいこと言うなぁっ!!」



………なんか伝わってるし。





ナツ「よし、プルーの提案に賛成だっ!! 俺達でチームを組もう!!」


ルーシィ「チーム?」


勇人「ギルド内で、1つの依頼を複数人で組んでやることだ」


ハッピー「1人じゃ難しい依頼も、チームでやれば楽になるしね」



ま、大体のやつはチームというかタッグだけどな。


2人以上の人数でチーム組んでるのって“シャドウギア”くらいじゃねーか?




ルーシィ「いいわね、それっ!! 面白そう!!」


ナツ「おおぉぉぉぉぉし!! 決定だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


ルーシィ「契約成立ね!」


ハッピー「あいさーっ!!」


勇人「あー…それじゃあ、俺がルーシィに付き添う必要はなさそうだな」




ナツが組むんじゃあなぁ…俺が凪の担当になるのか。




ルーシィ「付き添うって……?」


勇人「ルーシィも凪も薫も、フェアリーテイルに入ったばかりだろ。だから、クエストに馴れるまでは付き添うことにしてんだよ。ルーシィは俺が、凪はナツとグレイが、薫はマックス達が担当だ」



薫に関してはエルザに頼むつもりだったが、まだクエストから帰ってきてねーしな。





ナツ「勇人も俺達と組めばいいじゃねーかっ! ちょうどいいし!!」



………丁度いい?




ナツ「さっそく仕事行くぞ!! ホラ、もう決めてあるんだ!!」


勇人「あ゙?」


ルーシィ「もぅ せっかちなんだからぁ〜



ナツが持ってきた依頼書に目を通す。



場所はシロツメの街。


内容は………




ルーシィ「Σうっそ!? エバルー公爵って人の屋敷から、一冊の本を取ってくるだけで20万Jっ!!!?」


ナツ「な? オイシー仕事だろ?」



絶対なんか裏があるな……。




ルーシィ「………とにかく女好きで、スケベで変態。ただいま金髪のメイドさん募集中!?」


勇人「……………」


ナツ「ルーシィも勇人も、金髪だもんな!」


ハッピー「だねっ!! メイドの格好で忍び込んでもらおうよ!」


ルーシィ「あんた達、最初から……」


勇人「つーか、何で俺がいると丁度いいんだ?」



確かに俺は金髪だけども……。




ナツ「勇人もメイド服着ればいいじゃねーかっ!!」


勇人「Σ着るかっ!!」


ハッピー「昔着てたからいいじゃん!」


ナツ「なぁ?」


ルーシィ「着てたのっ!?」


勇人「ミラとかリサーナとかレヴィとかカナとかに無理矢理着せられたんだよ!」



思い出したくもねぇ………





ナツ「さぁ、行こうぜ!!」


ルーシィ「メイドなんてイヤよっ!!」


勇人「同意だ、誰が女装なんてするか」


ナツ「いいじゃねーか、勇人女ものの服着たら、女に見えるんだし」


勇人「殺す」


ルーシィ「Σちょっと!? 私の部屋で殺人なんてしないでよっ!?」







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