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異界への旅〜FAIRY TAIL〜
第15話 フェアリーテイルの朝





◆◆◆



《フェアリーテイル》




勇人「……なんつーか、平和だよなぁ」




マカオを救出した翌日の朝。


カウンターでだらけながら、ギルド内を見渡す俺。






グレイ「ナツ! てめぇ、この間の決着つけっぞ!!」


ナツ「おう、やってやらぁ!!」


凪「つーか、グレイ、服……」


グレイ「Σはっ!? しまった!!」


ナツ「またかよ、ウゼェな」


グレイ「今ウゼェっつったか、クソ炎!!」


ナツ「あ゙ぁ゙? だったら何だよパンツ野郎!?」


凪「てかお前ら、私の横で暴れ――Σ痛っ――てめぇら上等だぁ…表出ろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」




凪は何かナツやグレイと仲良く喧嘩しており、






マックス「へぇ、じゃあ薫は砂の魔法も使えんだ?」


薫「うん。大地の滅竜魔法は、砂とか岩とか地面とか…色々使えるんだ」


エルフマン「うむ、漢だっ!!」


マックス「いや、意味わかんねーって……」


ウォーレン「勇人とナツを入れれば、フェアリーテイルには滅竜魔導士が4人もいることになるな」


エルフマン「まさに漢だっ!!」


マックス「だから意味わかんねーって………」





新しくフェアリーテイルに入ることになった『高宮薫』は、同じく土系の魔法が使えるマックスを筆頭に、性格が穏やかなせいか、割りと誰とでも仲がいい。


昨日、マカオの件の後に凪と一緒に色々事情を聴いてみれば、やはり俺や凪と同じ境遇らしい。


凪は“風竜シルフィード”に……


薫は“地竜グランドロス”に……


そして俺は“源竜神オリジン”に、この世界へ飛ばされた。


何故“竜”が俺達をこの世界に飛ばしてきたのか、理由は全く分からない。


だが、飛ばされたきた人間が全員フェアリーテイルにいるとは考えずらい。


もしかしたら“邪竜神ディアボロス”から滅竜魔法を授かったとか言っていたメシアのように、他にも“竜”にこの世界へ飛ばされたやつがいるのかもしれん。


もしかして、ナツも俺達同様“異世界人”だったりするのだろうか?





ミラ「みんな賑やかね♪」



俺が座ってるカウンターの前に、ミラがコーヒーとサンドイッチを両手に持って運んできてくれる。


俺がミラに、朝食を注文したものだ。




勇人「サンキュー」


早速運んできてくれたコーヒーを飲む。


………うむ、相変わらずミラの淹れるコーヒーは美味い。


眠い朝にはブラックに限るぜ。





勇人「ルーシィもそうだが、凪と薫も、早くも馴染んできたなぁ」


ミラ「そうねぇ、馴染みすぎてまた物を壊したりしなきゃいいけど……」


勇人「凪は無理だろーな、アレはナツと同種だ。薫は…大丈夫だろ。いや、大丈夫だと思う……大丈夫だと信じたい」


ミラ「フェアリーテイルに入っちゃったからねぇ……」



どんなおとなしいやつでも、やるときはやるし、壊すときは壊す。


フェアリーテイルに馴染んでくると、自然とそうなっちまうもんだ。


現に、昔はおとなしい感じだったカナや、ギルド内では大分まともなレヴィですら、たまに物を壊したりして評議院に睨まれたりするしな。




勇人「そーいや、ルーシィの姿が見えんな。まだ来てねーのか?」


ミラ「そうねぇ、まだ来てないけど……何でそんなに気にしてるのかなぁ?」


勇人「お前こそ何で背後に黒いオーラ纏ってんだ?……まだ新人だから、クエストに馴れるまでは俺が付き添えってマカロフに言われてんだよ」


ミラ「そうなんだ? てっきり私は、また女の子を毒牙に掛けたのかと思っちゃった♪」


勇人「……おもむろに包丁をチラつかせんの止めてくんね?」



しかも、このギルドに置いてある包丁って俺が磨いだものばっかだから、普通の包丁でも名刀の業物並に切れ味があるから、斬られたらシャレにならねーんだぜ。





ミラ「凪と薫も、勇人が担当するの?」


勇人「いや、凪はナツやグレイ達に任せるらしい、一番仲良いし。薫はエルザに任せようと思ったんだが……」


ミラ「エルザは、まだS級クエストから帰ってきてないわよ?」


勇人「ああ、だから今んとこ一番仲が良いマックスにでも任せようと思う」



まぁ、薫は見るからに人畜無害っぽいし、誰とでもやっていけるだろ。


むしろ薫が周りの連中に影響を受けないかが心配だ。





ミラ「気になるなら、ルーシィを迎えにいってあげたらいいんじゃないかしら」


勇人「……って、そーいやルーシィって何処に住んでんだ? フェアリーヒルズか?」


ミラ「ううん。でも、そんなに遠くないわ」



ミラはカウンターに地図を出して、ルーシィが住んでる家を教えてくれた。


……ふむ、商店街の近くか。





勇人「そんじゃあ、ちょっくら行ってくるぜ」





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