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異界への旅〜FAIRY TAIL〜
第1話 勇人とドラゴン





勇人「………あぁ?」



閉じていた瞳を開く。


いつの間に横になって眠っていたのか、未だに眼球がチカチカとする目頭を押さえながら、ユルリと上体を起こす。


辺りは漆黒の闇で何も見えない。


俺は目を凝らし、魔力を集中させる。



『神眼-シンガン-』



あらゆる“魔法”や“神秘”を見抜き、そして操ることが出来る、神のごとき力を持つ瞳。



勇人の紫暗の瞳が、神眼独特の、血のような深紅の色に染まる。


何も見えない暗闇の中だったが、視界がクリアになった。


この目の力なら、こんな暗闇は何の意味もない。


そんな視界良好となった俺の目に………







「―――来たか、我の力を継ぐ器を持つ者が」




………なんか、鈍い黄金色をその身から発する、文字通り山のようなデカイ、分類的にドラゴンと呼ぶ生き物が目の前に横たわっていた。



なんか今のこの状況とよく似た出来事があったような気がしたが、記憶に靄がかかったような感じがして思い出すことが出来ない。


ま、思い出せないんなら多分大したことじゃないんだろうが。




勇人「誰だテメェは?」



一応問い掛けておく。


色々やってたせいか、もう今更ドラゴンが現れた程度では何とも思わなくなった。


ドラゴンという生き物は、たとえ知能の低いモノでもかなり高い戦闘力を誇る。


そのドラゴンの中でも喋るドラゴンは、かなり高い知性と最強とも言うべき力を持つ古代神龍-エンシェント・ドラゴン-の類いだと思うが、雑魚でないドラゴンが相手だとしても俺の反応も対応も全く変化することはない。


だって今更だし。既に世界救ったことあるわけだし。


そこで俺は「……あれ?」と首を傾げた。



どうやって俺がこんな鼻息が生暖かい生臭いドラゴン一匹しかいない虚無的な空間にやって来たのか、全く記憶にない。


少し前の記憶ならあるのだが………。




オリジン「我は、源竜神オリジン……我は貴様のような人間を待っていた」



なんかどっかの神様か王様みたいなことを言い出した。


俺が死んだら「おお、勇人よ。死んでしまうとはなさけない」とか言い出しそうだ。




勇人「で、そのオリジンが何用だ?」


オリジン「神を継ぐ器を持つ貴様に、興味があってな」


勇人「……なぁ、息が臭いんだが」



後、顔が近い。


だがそんな俺の要求を完全に無視して、オリジンはおもむろに立ち上がり、ドシン!と大きな足音を発てる。


立ち上がるとますますデカイな。


もう山っつーか……山だな。うん、山だ山。山意外思い浮かばねぇわ。


だって東京タワーとか高層ビルとか宇宙戦艦とかガンダムとか思い付いたけど、山より小さそうじゃん?



俺がそんな感想を抱いている間に、オリジンはその瞳を怪しく発光させた。


その瞳を見た瞬間、意識が遠退いていく。




勇人「あ゙?」



グニャリ、と視界が歪む。


どっちが上か下か分からなくなるくらいに感覚が狂っていく中、オリジンの声が俺の耳に届く。




オリジン「我の力は与えておく……いずれ、来る日に……――――」





そこで、俺の意識は途切れた。






◆◆◆





勇人「…………あ゙?」




閉じていた瞳を開く。


いつの間に横になって眠っていたのか、未だに眼球がチカチカとする目頭を押さえながら、ユルリと上体を起こす。


どうやら辺りは森のようで、人の姿が見えない―――




「おい、こんなところで何してんだ?」


「こんな道端で寝てたら風邪ひくぞい」



―――こともなかったようだ。


どうやら俺が倒れていたのは、森の中にある街道のような場所のど真ん中らしい。




勇人「寝てたんじゃねーよ、倒れてたんだ」




つーか、何で俺倒れてたんだっけ?


なんてことを考えて、倒れてた事情を思い出し、溜め息を吐きながら立ち上がる。


そして、道に倒れていた俺に声をかけてきた2人に視線を移した。





この2人、マカロフとギルダーツという男達との出会いが、俺のこの世界での始まりだった。




………つーか、出会いが2人のオッサンかよ、普通こーゆーときは美少女だろうがっ!!




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あきゅろす。
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