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明日の値段〜End of Hypnosis〜 第５話 勇人VSシグナム。カノンノVSザフィーラ ――――ガキィイン!! 駆け出した勢いと体重を乗せた上段斬りの一撃を、真っ向から剣で防いだシグナム。 シグナム「…っ………」 ギリギリ…とつばぜり合いになるが腕力の違いか、徐々にシグナムが押され始める。 勇人「―――ふん」 勇人は一旦腕を引いて、再度攻撃する。今度は右側からの横薙ぎ。身の丈程もある大刀を右手のみで軽々振り抜いた。 ―――ブゥォオン!! と、大刀が大きく空を切った音がする。勇人の一閃はシグナムには当たっていない。シグナムは大刀の横薙ぎを跳んで回避し、剣を勇人の脳天目掛けて勢い良く振り下ろす。殺さないように手心を加えてはいるが、それでも確実に気絶直行の一撃。 シグナム(―――決まりだ) が、その斬撃はあたらなかった。勇人は右手で振り抜いた大刀の勢いを殺さずに、そのまま横に回転しながら宙へ跳ぶ。 シグナム「な………」 正攻法ではあり得ない体捌きに驚愕するシグナム。確実に決まったと確信した一撃だった故に、慢心と油断で一瞬動きを止めてしまう。 その瞬間を、勇人は見逃さなかった。 回転したまま宙返りし、シグナムの上を取った勇人。お返しとばかりに今度は勇人の上空からの脳天唐竹割り。 勇人「神皇流 龍墜斬!!」 シグナム「く…ッ……」 ――ガキィイン!! 勇人の回転の勢いを加えた上空からの上段斬りを、ギリギリ剣で防いだシグナム。だが破壊力が先程のつばぜり合いとは段違いなうえに、地に足を踏ん張ることも出来ずに、そのままビル屋上の地へ墜落した。 ドゴオォォォオオン!! 派手に音と粉塵を巻き上げて、地面に衝突した。手応えあり。確実に戦闘不能と判断し、勇人は屋上に着地する。 勇人「やれやれ…それなりに出来る奴と殺り合うのはやっぱ疲れるねーどうも……」 ベルカの騎士と名乗った女剣士の事情を一応聞いておこうかと思った勇人だったが、恐らく気絶している奴を相手に聞き出すことは出来ず、カノンノが戦っているもう一人の襲撃者に聞くことにした。 カノンノと襲撃者の方へ目を向ける勇人。戦闘中に移動したのか、カノンノと狼男は隣のビルの屋上で戦闘を繰り広げていた。 両者、互角の戦いをしているように見えるが、カノンノの方がやや優勢であった。 狼男は手甲でカノンノの大剣を捌いて避けて、攻撃後の技後硬直を狙って拳打を繰り出す。 対してカノンノは技の振りが遅く隙が多いが、その大剣の破壊力は凄まじく、一撃がとてつもなく重い。カノンノは狼男に有効打を入れることが出来ないが、逆に狼男は攻撃後の隙を狙っても、その一撃を食らわないように最小限の攻撃しかしていない。 ザフィーラ(隙だらけだが、この者の一撃…重い。防御力に自信はあるが…まともに食らってしまえば……) 両者互いに決定的な一撃を入れることが出来ず、殆ど膠着状態に陥ってしまう。 加勢して2VS1に持ち込み、さっさと片付けてしまおうと、勇人はカノンノのもとへ向かおうとするが… 「――――レヴァンテイン、カードリッジロード!!」 ガシャン、と突如魔力の増大を感じとり、足を止めて魔力が増した方向へ振り替える勇人。 勇人「存外に丈夫だな。加減したとはいえ、気絶したと思ってたんだが」 シグナム「……いや、実際少し意識が飛んだよ。アレで加減した一撃とはな………」 振り向いた先には、爆発的に魔力が上がった烈火の騎士が、剣を構えて立っていた。 ［*前へ］［次へ#］  |