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明日の値段〜Don't Lose Your Grip On〜
第23話 美由希VS勇吾
                                    ‐勇人 Side‐
                                                ひと悶着あったものの、美由希は恭也に言われジャージに着替えてきて、結局勇吾と試合することになった。
                                     美由希
「うー………」
                                     恭也
「すまんな。でも、こういうことは中々出来ないから」
                                     美由希
「うん………」
                        渋々といった調子で美由希も木刀をとり、勇吾の前に立つ。
                        二刀。恭也と同じ構え。
                                     勇吾
「よし、行くよ」
                                     美由希
「はい」
                        それでも勇吾の体が微妙に動かした瞬間、美由希は、勇吾の懐に飛び込んだ。
                                    ダンッ!!
                                     勇吾
「買b!?」
                                    ガガンッ!!!
                                    連打が叩き込まれ、勇吾が辛うじて受けとめる。
                        更に出されそうになった剣を強引に薙払い、勇吾がバックステップで距離をとった。
                                     勇人
「〜〜〜♪」
                                     勇吾
「速い………な」
                        勇吾の驚嘆の吐息。
                        それほどに美由希の動きは速く、鋭かった。
                        足の怪我がない分、恭也より動きに思い切りがある。
                        勇吾の目付きが変わる。
                                                 勇吾
「よし……遠慮出来るほど余裕はないな」
                                     美由希
「…………」
                                                            ドンッ!!
                                    ダンッ!!
                                    二人同時に踏み込み、瞬間的に剣が打ち合う。
                                                ドガガッ!! ガガンッ!!!
                                    普通の剣道選手なら、殆どトップスピードとも思えるダッシュとすれ違いの間に、何合もの打ち合いが挟まる。
                                     美由希
「ハァァァアッ!!」
                                     勇吾
「っつぁりゃあぁぁあっ!!!」
                                    ドガン!!!
                        ガガガンッ!!
                                    小太刀二刀の連続攻撃に一刀、しかもとり回しの悪い通常サイズの剣で捌き切る勇吾もかなりものだが、一般人とはいえ剣道全国級豪腕の反撃を、キチンと片手で美由希も捌く。
                        打ち合うこと数十合。
            百合を超えたかもしれない。
            時間にして約2分、二人は打ち合いを続けていた。
                                                                         恭也
「………わかった」
            
             美由希
「はぇ?」
                        恭也の呟くような声に一瞬気を緩めた美由希に、勇吾の剣が迫る。
                                     勇吾
「狽」わッ!??」
                        無反応だとは勇吾自身も予想外だったらしく、慌てるが剣はついてこない。
                                     勇人
「―――――………」
                        瞬間、俺は一瞬で飛び込んで勇吾の剣を左片手白刃取りで掴む。
                                     美由希
「狽、わっ!?」
                                     勇人
「……戦闘中に気を抜くな、怪我するぞ」
                        あそこで無反応とは俺も予想外だったな。
                                     恭也
「赤星、悪い。ここまででいいか?」
                                     勇吾
「ぁ………あぁ」(・・;)
                        あまりの早業に、勇吾も毒気を抜かれていた。
                                     


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