明日の値段〜Don't Lose Your Grip On〜 第6話 剣道一直線 ・・・ ・・ ・ ‐学園長室‐ 勇人 「で、何のようなんです?」 学園長 「実は今日、うちの剣道部女子が他の学校と試合なんじゃが顧問の先生が急にぎっくり腰になってしまってな。君に代わりをお願いしたいのじゃ」 ‥‥ま、そのぐらいなら問題ないか…。 大抵の武芸は有段だし。 勇人 「別に構いませんが……」 学園長 「そうか、助かるぞい。 では直ぐにうちの剣道場へ行ってくれ、そこで練習試合を行う」 それにしても剣道の試合ね、教師としての仕事の前に代理とはいえ顧問の仕事が回ってくるってーのはどうなんだろうな。 そんなくだらない事を考えながら俺は気持ち早足で今日試合するであろう剣道場へ向かった。 ‐素子SIDE‐ 今日はウチの学校と麻帆良学園との練習試合。 もう直ぐで今年も終わり 大きな大会は無いが ウチの剣道部をもっと強くするため、練習試合は割りと頻繁に行っている。 ……そういえば、勇人さんは麻帆良学園に勤めているのだったな。 まさか女子寮に浦島以外にも男が住み着くことになるとは少々‥‥いや、それなりに不満があるがあの軟弱者と違って別に痴漢行為を働いたわけでも悪質な学歴詐称をしたわけでもない。 私にはよく解らなかったがキツネさんが出した東大の過去問をあっさりと解いてみせその実力を示した。 ‥‥だが本当に彼は只の教師なのだろうか? あの者からは何かただならぬものを感じずにはいられない。 私の勘が正しければ、あの人は私の姉上と同じ――― ・・・・・ ・・・・ ・・・ ‐勇人Side‐ 麻帆良の剣道場に辿り着き、今日の練習試合に出る剣道部女子部員に軽く挨拶を済ませ特にすることも無かったんでおとなしく試合相手を待っている。 それにしても待ってる時間って暇だよな。こんなことなら本の一冊でも持ってくればよかったな‥‥。 と、俺が今度から何の本を持ち歩こうかと思考していると今日の対戦相手がお見えになった。 勇人 「どーも、本日体調不良で休んだ先生に代わり臨時顧問としてやってきた神爪です。今日はよろしくお願いします」 林 「林 忠明です。こちらこそよろしくお願いします」 林 忠明‥‥たしか教士7段だっけか? 俺でも知ってる名前‥‥。それなりにできるなこの男 ま、別に俺が試合するわけじゃないんだが‥‥。 素子 「―――勇人さん?」 聞き覚えのある声で名前を呼ばれ、俺の名を呼んだ奴の方へ目を向ける。 胴着姿で一瞬誰だが判断つかなかったが――― 勇人 「――素子。そうか、試合相手お前のとこの学校か」 林 「青山と知り合いですか?」 勇人 「まぁ、訳あって同じ寮に住んでるんですよ」 林 忠明はどういう訳なんだ? といわんばかりの視線を向けていたがその視線に答える気はない。 だってメンドーじゃん? 素子 「勇人さんは剣道部の顧問だったんですか?」 勇人 「いや、代理で来ただけだ。一応有段だからな」 素子は『ほぅ』と呟き何故か関心したような顔をしている。 なんか『文武両道とはあのスケベでウソツキで破廉恥きわまりない軟弱者とは大違いだな』というデッカイ独り言が聞こえたような気がするが気のせいだろう。 ってゆーか景太郎よ‥‥ お前どんな生活送ったらこれほどまでの暴言を吐かれるんだ・・・? ・・・・ 林 「――それでは、麻帆良学園と●▼高校の練習試合を始める!」 部員達 「「「お願いします!!」」」 麻帆良VS●▼の団体戦 勝敗は勝者数法 勝者の多いほうが勝ち 試合は5分(延長3分) 三本勝負、二本先取した者の勝ちとする ってゆーか●▼高校って [*前へ][次へ#] [戻る] |