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明日の値段〜Don't Lose Your Grip On〜
第2話 仮契約の証





勇人「や、元気?」





シュタッ、と右手を上げてエヴァに挨拶する。






エヴァ「や、元気?…じゃないわボケがぁぁぁーー!!




エヴァが猛スピードでコチラに突っ込んで来て跳躍し俺に跳び蹴りを放ってくる。



それを闘牛師よろしくヒラリと俺はエヴァの攻撃を回避した。






エヴァ「よけるな貴様!!






無茶言うなよ……




俺は適当にエヴァを宥める。少ししたら落ち着いてきたのか、噛み付いてくることはなくなった。






エヴァ「………で、勇人。貴様はこの数十年何の連絡も寄越さないで何をしていた?」





勇人「ま。色々あったんだよ、俺にもな」





エヴァとはかなり長い付き合いで、エヴァがまだ賞金首になる前からの付き合いであり、その後も共に行動していたのだがある日を境に別行動を取ることになりそこから先は一切合ってなく、連絡さえ取ってなかった。





勇人「けどよぉ、お前は一体どうしたんだ? 急にお前の懸賞金が白紙にされて、行方が分からなくなっていたが?」




エヴァは苦虫を潰したかのような顔をし、話しだした。






エヴァ「………数年前にとある奴にやられたんだよ。力も封印されてな」






勇人「……あー、それでか」




今のエヴァからは、あまり魔力を感じられない。多少は感じられるが、顕らかに一般人のソレだ。





勇人「お前を負かした奴がいるとはな。懸賞金6億のお前がやられる相手など早々いないはずたが………」





一体誰にやられた……?






エヴァ「……ナギ・スプリングフィールド。サウザンドマスターと言えば分かるか?」






勇人「ムンドゥス・マギクスの英雄か…随分懐かしいな」




エヴァ「Σってお前奴を知ってるのか!?」





勇人「知ってるも何も……ナギ・スプリングフィールド率いる『紅き翼』《アラルブラ》とは『完全なる世界』《コズモエンテレケイア》との戦争で何人かとは面識があるからなぁ」





そういやタカミチ少年探偵団とは会ったことなかったなぁ……。






勇人「ま。もっとも戦争が終結してからは会ってねぇし…それに、奴は数年前に死んだと噂が流れている」




エヴァ「………そうか」




ナギの名前が出たら喰いつてきたが、今はさっきの元気の良さとは逆に意気消沈としている。





エヴァ「私にかけた呪いをいつか解いてくれる約束だったのだがな…奴が死んだおかげで、私の呪いを解くことの出来るものはいなくなり、中学を卒業することも出来ず十年近くも退屈な学園生活を送るハメになってしまった………」





勇人「ま。死んだって噂は流れているがな………




















―――――……とりあえず生きてはいるぜ?」





エヴァ「………何だと?」






エヴァは「コイツは何言ってんだ?」とひどく馬鹿にした目で俺を見ている。






勇人「コレが何だか分かるか…………?」




俺は何処からともなく一枚のタロットカードを取出し、エヴァにカードの表面を見せた。





エヴァ「Σそれはッ!?」





エヴァは驚愕する。



そのタロットカードの表面には、杖とローブを身につけている赤毛の少年が描かれていた。



その絵柄には、名前の文字が書かれている。







勇人「そう…戦時中に俺が奴と契約し、そしてこのカードの存在が、今も何処かで奴が生きているということの証だ」





主人の従者になるものが仮契約を結び、その仮契約の証として手に入る、従者が魔法道具を専用の魔法道具を発動させる仮契約のカード。






勇人「奴が俺の従者の証………パクティオーカードだ」





エヴァ「奴が……サウザンドマスターが生きてるだと…?」








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あきゅろす。
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