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トラウマ的邂逅



私立深淵高校。
卒業生は政治、スポーツ、芸能、医療界でも有名な人物を輩出している超有名校だ。
俺はそこの新米教師だ。
この春に採用されて、今日が初日。
んで、生徒会長に呼び出しをくらい生徒会室に着いたのがつい先だ。

生徒会室は豪奢な造りになっていて生徒会長がこの学校でどれだけ権力を握っているか分かる。
来る途中で知らない先生が教えてくれた。

生徒会長は有名な政治家の息子で理事長も頭が上がらない、と。

つまり生徒会長には逆らわない方が良い。
逆らえば最後、ありったけの権力を駆使して自殺まで追い込むらしい。

たかが生徒にそこまでの権力があるとは驚きだ。
だが、ここは超有名校。
嘘には思えない。

「失礼します」

ぎぃ、と扉を開けるとその中もすごかった。
豪華を通り越している。
つまり金の無駄遣い。

そいつは悪趣味な椅子に腰掛け机に足を乗せた状態で座っていた。
真紅の髪に伸びた鼻、少し吊り上がった切れ長の目に形の良い薄い唇。
これが噂に聞く生徒会長のアッシュ・フォン・ファブレだ。
会うのも見るのも初めてだ。

「良く来たな」
「何かご用ですか?」
「まぁそう急ぐな。茶でもどうだ」

ぱちんと指を鳴らすとメイドが出て来た。
美味しそうな匂いに少し惹かれるが、今は用件を聞くのが先だ。

「いえ、仕事がまだ有りますので。ご用件はなんですか?」
「そうか。それならば仕方がない。単刀直入に言う。」
「早く言って下さい」

次の瞬間、そいつは少し頬を赤らめながら言った。

「結婚してくれ」
「……は?」
「二度も言わせるな。結婚してくれ、ルーク」
「あの、俺、男ですけど?」
「当たり前だ。男にしか見えん」

その言葉に俺は音を立てて固まった。
待て待て俺。落ち着け。
ゆっくりと整理だ。整理。
こいつは今何て言ったんだっけ。結婚してくれって言ったよな。
この部屋には俺とこいつしか居ない。
つまりこいつは俺に結婚してくれって言ったのか?
男の俺に?結婚してくれって?

「はああぁぁぁ!」
「どうした」
「どうしたもこうしたもねぇよ!お前どうかしてんじゃねぇの!」
「何かがだ」
「俺は男!お前も男!従って結婚はムリっ!」
「そこは大丈夫だ。俺がどうにかしてやる」

澄ました顔でそいつは言った。
こいつマジでやばい。
生徒会長だろうが誰だろうが知るもんか。
付き合いきれねぇつーの!

「断わる」
「何んだと?」
「こ・と・わ・るって言ってんだよ!男と結婚だなんてどうかしてるんじゃねーの」

言うと同時に体を半回転。
部屋から出ようとドアノブを回して引っ張る。

「?、開かないっ!」

更にガチャガチャ回してみるが開かない。
その時、俺の顔の横を通り過ぎドアに手を着いた。
反対側を見るが、同じ様に手が着いてあった。

「拒否なんて認めん。ルーク……」
「いっ、嫌!」

ぐっと顎を掴まれて強制的に上を向かされる。
次の瞬間、キスされた。
強引に唇を割って舌が入って来る。

「……!ん、ぁ」
「良い声出すじゃねぇか」
「や、やめ」

再度キスされた。
こいつ本気だ。
腰に手が回り、ゆっくりと俺の尻を撫でた。

「………っは、やだ、止めろ!誰かっ!」
「無理だ。人は来ん。この部屋は防音だからな。大丈夫だ安心しろ。初めて何だろう?優しくしてやる」
「………!い、いや……あっ―――」





(それは酷く運命的な邂逅)







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設定を生かしきれて無い学パロディーアシュルクでした。
こんなアッシュも有りかな。

管理人はこんな話が好きです。
すみません!


読んでくださって、ありがとう御座いました!



ちなみに設定

ルーク・ローレライ
新米教師
教科は外来語

アッシュ・フォン・ファブレ
深淵高校2年
生徒会長
父親は有名な政治家
母親は有名な女優





あきゅろす。
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