可愛いキミに首ったけ!
今から7年前、全ては始まった。
そう、ルークが帰って来たその日に。
見てしまったのだ、あの、愛らしい姿を―――!!!
「あーー、うー?」
「大きく、くりくりとしたお目め!そして素晴らしく愛らしいその顔立ち!!」
「あーー、うぜぇ」
「聞いているのかルーク!」
「はいはい。聞いてますよ〜父上」
皆さんオハヨウゴザイマス。
俺、ルーク・フォン・ファブレ。ナウでヤングな若者だ。
え?そんな俺の前で喋って奴は誰かって?そりゃあれだよ。父上―――王位継承権第二位ファブレ公爵だよ。
何喋ってるって?
知らねぇよ、そんなの。
「ルーク!つまりはだなっ………!」
その話もそろそろ終盤に行くらしい。
けどもう聞き飽きたんだつーの!
「好きだ。ルーク!」
「はぁ!分けわかんねぇ!馬鹿じゃねぇのお前」
「あぁ、怒った顔も愛らしい」
いつもの事ながらコイツには言葉のキャッチボールは難しいらしい。
話が全然通じねぇの!
こうなったらアレだ。アレ。
ほら諺にも有るだろ?
「逃げるが勝ちってな!」
「ルーク!」
言うと共に俺は走り出す。
アイツに捕まったら最後、至る所まで撫で尽くされ、挙句の果てにはキスまでしようとするのだ!
そう考えている間にアイツとの距離は広がって行く。
さすが俺!今日も足の調子は絶好調だ!
「何故逃げるのだ!ルーク!!」
後ろから何か聞こえてくるが無視だ。無視。
相手にしたって埒があかない。
だってアイツは言葉のキャッチボールが真面に出来ない!
アイツと真面に会話出来る奴が居たら即、そいつと立場を交換したい。むしろ代わってくれ!
そうこうしている間に自室のドアが見えて来る。
ここに来る途中何人かのメイドとすれ違ったがいつもの事だと笑みを零していた。
笑うぐらいなら助けろつーの!
「はぁ……はっ………わぁ!!」
ドアにたどり着く寸前、突如、俺の体は宙に浮いた。
派手に浮いた体が落ちる。
痛いだろうな。そう思いながらついでに目も閉じる。
痛い事には変わりは無いだろうが、まぁ条件反射みたいなもんだ。
笑うんじゃねぇぞ!
「?」
ところが痛みは襲って来なかった。どうしたんだ?
目を開けると俺の下に父上がいた。
「大丈夫か?ルーク。怪我は無いか?」
「…………っ!」
柔らかく微笑みながらそう問い掛けられると顔が赤くなった。
別にコイツにときめいた訳じゃねぇからな!
………そんな訳ねぇんだからな。
「どうした?足でも捻ったのか」
そう言いながら俺の足に手を伸ばす。
それを見て更に心臓が飛び跳ねた。
心臓が五月蠅い。頬に当たる服からアイツの匂いがして耳が赤くなった。
もしかしたら俺、コイツの事が―――――す
「ん?」
足の先で何か動いた。
足を見るといやらしい手付きで俺の手を触っているアイツの手。
逃げ様と体を捻ると逃がすまいと言わんばかりに腰に回されたアイツの手。
もしかして俺、―――――捕まった!
「離せこの変態っ!!」
「や、柔らかい!あぁ可愛いぞルーク!!」
「ぎぃやああああぁぁぁぁ!」
ルークの絶叫が響いた。
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変態?公爵ルクでした。
一目惚れな公爵とそんな公爵が好きだと気付いてないルーク。
リハビリ作品なので全体的におかしいですね(笑)
読んでくださって有難う御座いました!
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