優しき声音
「ルーク」
「………せんせい……」
ヴァンの豊かな胸に顔を擦り付け、ルークは目を細めた。
「せんせい、名前、もっと………」
"名前"それはルークにとって不思議なモノだった。
自分を呼んでいる筈なのに何処か、自分ではない他人を呼んでいる様に聞こえたからだ。
けれどヴァンは違った。
ヴァンが呼ぶ時だけは違って聞こえた。
自分だけを呼ぶその声。
その声は落ち着かせるのだ。
「ルーク、ルーク………」
ヴァンはルークの為だけに、その名を呼んだ。
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名前のはなし。
良くも悪くもルーク自身を呼んでいたのはヴァンだけだと思います。
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