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-惟神の道--
茅の輪・蘇民将来

大祓では茅(ち)の輪くぐりという神事がありますが、これは蘇民将来(そみんしょうらい)の話しが基(もと)になっています。

話は「備後国風土記」逸文の疫隅國社にみえるほか、祭祀起源譚としておおむね似たかたちで広く知られている。
天王さまとは牛頭天王のことで、インドの祗園精舎(ぎおんしようじゃ)の守護神、または新羅(しらぎ)の午頭山の神ともいわれる疫病よけの神です、この神は古くからスサノオ尊と同じ神だとされていました。

むかしむかし牛頭天王(ごずてんのう)が老人に身をやつして汚れた身となりしてお忍びで旅にでたのでした。
お日さまもとっぷりと暮れて、とある村に一夜の宿を求めたそうです。

その村には貧乏な兄の蘇民将来(そみんしょうらい)と弟で裕福な巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟が住んでいました。

汚れた身なりの老人が先に弟のほうへ訪問をしました
「あの〜夜もふけてきましたので一晩の宿を…」泊めてほしいと頼むと、このときケチな弟の巨旦は裕福なのに
「おまえなんか泊めるか!、汚らわしいジジイだな!」
「早くどこかに消えろ」
冷淡にあしらい追い払ったのでした。

仕方ないので老人は兄の蘇民将来の家の戸をたたいた。
「あの〜夜もふけてきましたので一晩の宿を…」
泊めてほしいと頼むと蘇民将来は
「もうこんなに夜もふけて外は冷えるでしょう。さぁさぁどうぞ!
たいしたおもてなしもできませんが…」

兄の蘇民は貧しいのに優しく温かく迎えて手厚くもてなした。
何年かのち、その村に再び
訪れた牛頭天王は兄の蘇民将来の前で正体を明かして
「われはスサノオ尊(みこと)なり」と名のりました。
おどろく蘇民将来に告げる
「近々、この村に死の病が流行(はや)るが
おまえの一族は助けようぞ!」
「死の病からまぬがれる方法として茅(かやくさ)を輪にして腰に巻きつけておくがよい。」
と兄の蘇民に子孫代々…
疫病にかからないための茅の輪(疫病除け)を授けたのでした。

そして、このあと死の病が村に流行ったとき巨旦将来の一族は全部死んでしまったのに、蘇民将来の一族は助かったという。

牛頭天王は茅の輪を目印として弟の一族をすべて滅ぼしてしまったのであった。
スサノオ尊を助けた蘇民将来にスサノオ尊が疫病からまぬがれる方法として邪気を祓う力があるとされる
萱草(かやくさ/茅)を輪にして腰にまきつけることを教えたといいます。



そこから大祓いの際は、茅の輪くぐりをするようになったといいます。


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