The.Last.Days
サクラの貝殻
夜がほのぼのと開けてきて
夜空がほのかに明るんで
黄色を帯びた淡い紅色に
東の空が染まる頃…。
船長のアルさんたちが
上陸のボートを海面に
ラダー(ハシゴ)を降ろして
用意しているのであった。
船長のアルが
「さぁ!裕美子さん
いってらっしゃいな〜♪」
ロシーターさんや船員たちが手をふりながら
「おおーい!またな〜♪」
マリーチィーさんと
裕美子は乗り込み
砂浜をめざして
ギィギギィ〜ギィギギィと櫓(オール)をゆっくりと
漕ぐのであった…。
舟の下から望める海面は
かなり透明度の高い海…
太古の海、珊瑚が群生し
透き通ったエメラルド色の海!
人の手の入らぬ自然の海
裕美子は海面を眺め
「ナンともいえない…感動が込み上げてくるね!」
とつぶやくのであった。
裕美子がまた
「ねぇねぇ!マリーチィ
さん〜お魚がたくさんいるよ!」
はしゃいでいるうちに…
広い海岸線が長く続く・・
それは真っ白な砂浜へ!
エメラルドブルーの海と
真っ白な砂のコントラストがナンともいえない。
ほどよい気候で太陽は燦々と輝きて海面のキラメキと光りのシャワーが心地よい
神秘的な砂浜に舟を寄せるのであった。
マリーチィーさんは
「さぁ!舟をおりて…」
パシャパシャと水に浸かる
足元の肌になんともいえない水の感触を感じて
裕美子は
「心地よいなぁ〜♪うん
すご〜い!高い山々が」
寄せては返す海の波を
両手ですくって手に感じる
感触を楽しんでいるヒトトキであったのです。
砂浜からすぐ…近くに感じる景観は素晴らしい
そそり立った山並みの緑深い大自然の景観は
そう山の頂きのほうには
うっすらと霧がかかって
何となく人を寄せ付けない感じもするのでしょうか?
裕美子は…
「すごい高い山だねぇ!
鳥たちが奏でる音色も
素敵だなぁ〜♪」
マリーチィーさんが
キョロキョロしながら一言…。
「裕美子さ〜ん!
しばらく待っててくださいね…もうすぐ迎えが来ますから!」
「しばらく海岸で遊んどきましょうね!」
それを聞いた裕美子
砂浜を散歩をはじめた
真っ白な砂浜にはいろいろな海からの贈り物が漂着するのです。
ザザザザザッッッザザーッザパァンザザーッと大波と小波の心地よい囁き…
ほかの人の足跡も一切ない
真っ白な砂浜を裕美子とマリーチィーさんの足跡だけが…永遠とつづく。
裕美子が何やら?
拾い上げて手にとって
「綺麗な貝殻拾ったよ!
半透明な薄いピンク色だよ♪」
「サクラ貝に似てるけど…大きいねえ?すごーい手の平ぐらいあるね!」
裕美子は、また拾い上げて、別の貝を耳にあてています!
「波の音が…懐かしい!
ザザザサザッッーって久しぶりに感じるなぁ!」
マリーチィーさん…
「裕美子の国の海に
あるのはサクラ貝、ああ
、そうだね!」
「同じ二枚貝だけど!
これは少し違うよお!
丸いからね…満月みたいに!」
*桜貝:貝殻は薄く平たい長円形で、殻長2,5センチで、色彩、形が桜の花びらに似てることからの名称
やがて高い樹々のあいだ
から山と山の境から
静かに物音さえしないの
何かしら乗り物らしきのが…
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