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The.Last.Days
ジブラルタル海峡


ザザァンザザアァァ〜ンと
波しぶきが帆船に潮風が
香りを運んでくる。

お日さまはとっぷりと暮れて水平線は真っ暗…の海

裕美子の乗る帆船の船尾に航海灯(ともしび)の
白い光りがときどき波間の海面にうつる‥和ぎの海
であった。


船上の甲板では月明かりとカンテラ(オランダ語で燭台/ランプ)を灯して

今まで大海原の中を
嵐もなんのその負けず
渡り航海をした海の男たち
少々ガラのわるさも‥
あるが勇ましい男たちが
酒や食べ物をもって集まり
宴会を開いてた。


ロシーターさんが
「もうすっかりと夜も明けてきましたね〜♪」

「右舷のずっと向こうには大陸がありますよ!」

「そして、このまま帆走すると海峡が右舷に見えて来ますよ。裕美子さん」

裕美子が右舷を眺めながらいいます。

「そうですね、ずっ〜と
向こうに霞む大陸が!?」
もうすっかり水平線には
太陽がのぼりして
青い澄んだ海と雲が
流れる空!幻想的な雰囲気
時はゆるやかに過ぎていきます。

マリーチィーさんは
「少し航路を変えて
地中海へ入りましょうか?ロシーターさん。」

ロシーターさんが笑顔で
「ええ!船長〜よろしく
航路を少し変更お願いします。」

船長のアルが、かすれた声で
「ういっ!ようそろ〜!」

*ようそろ=了解、問題なし、用語は比較的新しいですが^^;

マストの見張りも遠方を眺めている、和ぎのエメラルドブルーの海がつづく‥

マストの高い見張り場に
いる乗組員が何かしらを
ゆくての大海原に発見したのであった。

裕美子が帆船のはるか先に眺めてて呟いた。

「遥か向こうに数多くの帆船が‥なにやら戦ってるよ!」

マリーチィーさんは・・・・
額に手をかざして眺めて

「あれは‥うーん?
たぶん!この時代だと!

フランス・スペイン連合艦隊とネルソンのイギリス艦隊の海戦ですよ!」

「このまま、帆走すると
巻き込まれそうですね‥」

船長のアルは急いで口で
叫びます。

「濃霧の発生用意〜♪
このまま全速力で突き進め〜ぇ!」

続けて言うのであった‥
船長のアルが

「右舷と左舷の砲門を
開き!キャノン砲の用意!」
「船首と船尾のファルコネット砲(大砲の一種)続けて用意!」
と命令をくだすのであった

裕美子の乗る帆船は

何かしら風以外の別の力が働いているかのような感じもあるが

濃霧で船を隠し風にのり疾風の如く帆走するのであった‥

船長のアルが叫ぶのである
「おも舵いっぱ〜い!
進路は海峡へ向けろぉ〜」
戦の海上を、無事に
すり抜けてしまったのであった。

裕美子はやや霧が晴れた海上を眺めている‥。

「ちょっと先に左と右に
霞(かす)んで大陸が見えるね!」

マリーチィーさんは教えてくれました。

「右舷にアフリカ、左舷
にはヨーロッパを望めるよ!」

「この海峡は狭いところでも14キロもあって
広いところでは44キロにもなるんだよ!」



「海峡に入っていくと
もう地中海ですよ!」

ロシーターさんが教えてくれました。

「この先の左舷にある岩山と右舷にある山のことを
ヘラクレスの柱っていうのです。」

裕美子はしみじみと
両者の話しを聞いて

「なるほど?!ずいぶんと遠くへ来たのですねぇ!」


ザザザァァァザザザザァ

ザァァザザァザパァァ〜ン♪

波しぶきが船首に風とともに、太陽の照らす光りの
シャワーと潮風がとても
心地よい海である





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あきゅろす。
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