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The.Last.Days
ワタツミの海


マリーチィーさんは
その海のストーンサークル
の方角に向かって甲板に
直立し腰にある短剣をサヤから抜いて‥

両手で剣を握って自分の
目の前で船の甲板の床に突き刺さるかのようにかかげ
こう‥大声で唱えた。

「おのが据(す)えし
この儀(ぎ)によりて‥
よろずの自然に近接せん。
暁より暮れに至るまで
この聖なる日、新たなる暁より暮れに至るまで

語る者、我が全霊なり!
かくあれかし」

「おーぃ!ワタツミ殿!」
と大声で呼びます!


すると、尖った岩礁がにわかに動きだしてゆく‥!


それが海中へ引き込まれ
てしまった、海面がすると
大きく渦が巻いて‥
ゴォーッッッ!ザザザァァァァ‥ゴゴゴォォッッ‥

「おおーどちらさま?
誰じゃな?ワシをよぶ者は!」

声とともに水しぶきが!
年老いた龍が海中から・

その首を出して顔を水面
から見せたのだった。


裕美子がつぶやく。
「小さな岩礁だと思ってたのは?!
龍さんの背にあるトゲだったのねぇ?!‥」


白い長い髭が凛々しく
とても勇壮に感じる

水からでたばかりの身体
のウロコが太陽の照らす光りのシャワーで乱反射されて‥キラキラと輝いてた。

マリーチィーさんは
「今から、この先を通りたいのですが?お願いします‥」

その首を出している凛々しい龍がうなずきて

「うむっ!海を通れば!
よかろうぞ!」


マリーチィーさん
「ありがとうございます
でわ!よろしくお願いします!」

「我らの聖なる母なる海が
我らを祝福されんことを
この儀は閉じられたり、
くあれかし。」

と言ったのであった。


ロシーターさんは言います
「裕美子さん!
次へ向かいますよ。
船長!錨をあげて下され」

船長のアルがうなずき

「おおー開帆、帆をあげろお〜♪錨をあげろ〜つ!」
と海の静けさの中に声が響きわたります。


*開帆/かいはん
帆を掲げて船をだすこと


深々と挨拶をして裕美子を乗せた帆船は海の先へ

黒龍が裕美子に向かって、こういいました。

「そうぢゃのう‥
我々の旅は!崩壊する前の大陸の方へ向かってるのぢゃ!」

「裕美子!最後まで・
しっかり見ておくのぢゃぞ!」
裕美子はうなずいた



*わたつみ=大海原=
海神の守護する海‥

水平線にたなびく長い雲は海神のもつ旗といわれてる





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