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The.Last.Days
嵐の大海原(5)

幽霊船から声はずっと
繰り返しているのであった
ヨホホホホー!ヨホホホホーッ!

『黒き船長よ!
7年が去った上陸だ!
!娘よ貞節を誓え!』

『海よ!風よ!雲よ!
嵐よ嘆け!俺たちゃ呪われた永遠に!』

ヨホホホホー!ヨホホホホー!ヨホホホホー

ロシーターさんは胸元の
ロザリオを取り出して
賛美歌を歌いだしました。


ロシーターさんも船長の
アルさんや乗組員が乗る‥
この帆船も幽霊船ですが

共に、この荒れる風と
荒れ果てている波の嵐の

なかで祈りを捧げだしたのでした。

ザザァンザザアァァ〜ンと
波しぶきが帆船に襲いかかる‥

オランダ人の幽霊船は
やがて大陸の方へ行くのでしょうか?

波間にだんだんと遠ざかってゆくのでした

ヨホホホホー、ヨホホホホーという掛け声もやがて

波間と風に消されてしまうのであった。

ロシーターさんも裕美子も帆船のなかで祈って
いた。

やがて嵐の雲がはれて
太陽の光りのシャワーと
共に
まっ白い羽根が沢山裕美子のいる帆船に

ハラハラと舞い降りて‥
荒れ狂う海を乗り切った

嵐は去っていった。

どこまでも突き抜けているよ〜な高い空と

空に流れる雲と明るい日射しが戻ってきたのでした。


船は今も なお この大海原を永遠に彷徨っているはずである‥そして7年に一度
真実の愛 永遠の愛のために‥
悪天候のときのみ 遭遇
をするという‥



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あきゅろす。
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