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The.Last.Days
嵐の大海原(3)

船長のアルは
「ワシは少し分からないなぁ?
ロシーターさまなら知ってるかもしれない‥。」

再び船長が高い声で叫びます。
「おも舵いっぱ〜い!
潮に流されるなぁ!」


ロシーターさんは言います「オランダの貴族の兄弟
が帆船の上で、女の取り合いで喧嘩になり弟を殺してしまったの!」

「一緒に乗っていた女性はそれを嘆き悲しみ嵐の海に身を投げ出してしまった‥」

裕美子は黙って耳を傾けていて

「男同士の女性をめぐる‥何か?醜い嫉妬の争いって悲しいね!兄弟なのに‥‥」

ロシーターさんが続いて

「気がふれた兄は同じ船にいた水夫たち全てまでも手をかけてしまった‥ドロドロとした憎しみの果てに」

「その後に嵐の空に向かって嘆き叫んだの‥
女を手に入れられない事が悲しくて加護がまったくない‥
ものすごく神さまを罵った。」

「女性が冷たい海に身を
投げたのも、自分を愛してくれずに弟に負けてしまった
全て神のせいにしてから」

船長のアルが話を聞いてて
「そうだったのか!?
それで罰を受けて呪われたのか?」

ザザァンザザアァァ〜ンと
波しぶきが帆船に襲いかかる‥

裕美子は悲しげに

「永遠に彷徨うってことは、ものすごく悲しいことだよね!」
「神は愛なりっていいますけれど‥」

マリーチィーさんは

「彷徨うとは、果てしない繰り返し、涯しなく失い続ける、永遠にはつらい」

ロシーターさんが
「そうよ!さ迷いするから安息日はまったくない
安息地も何もない‥!」

「帰るべきとこもない
彼らの時は止まったまま」
「日が昇っても月が出ても永遠に海上をいったり来たりするだけ‥
果てしない繰り返しですね!」

「海に飛び込んでも苦しみ
また繰り返して苦しみ。
それは‥喪失感、悲しみ
苦しみ、永遠に続くのです。」






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あきゅろす。
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