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The.Last.Days
嵐の大海原(2)

嵐の中、メインマストの
乗組員はしっかりロープで
固定し風を読み波を読み
ドンよりと鉛色した荒れる大海原を見つめている。

ザザァンザザアァァ〜ンと
波しぶきとゴオオォ〜ォ
ヒュュュゥ〜と荒れる風の音が鳴り響く嵐の凄まじさ
遠くに船影が見える‥。


船長のアルとロシーター
さんが波間に垣間見せる
姿を見ている

「嵐の岬の幽霊船がやはり現れましたね!」

ザザァンザザアァァ〜ン

ゴオオォ〜ヒュュュゥ〜

荒れる風と波間に‥
波間に見せる真っ黒なマスト‥
時化の風を大きくはらんで
ふくらむ、血の滲(にじ)んでいるかのような赤い帆をもつ
さまよえる幽霊船≠ェ
姿を見せたのであった。


裕美子は揺れ動く
甲板の太い綱(ロープ)に必死に掴まりながら‥

「あの幽霊船は?それに
しても不気味な帆?!
あんなにくたびれて」

ゴオオォ〜ヒュュュゥ〜
荒れる風と波間‥

帆船のやや真横の海上間近まで、さまよえる船は姿を波間に見せた

裕美子は左舷の方に
近寄って波間に浮かぶのを見てから

「あの船の甲板で作業する乗組員たちは真っ黒な服に真っ青な顔色ですね(汗)」

「まるで幽霊のように静かで‥顔に生気がないような?」

船長のアルが言うのだった
「嵐の海で神に毒づいたところ神罰を受けてしまい、
それ以来‥嵐の海を永遠に彷徨うことになった囚われのオランダ人船長が操る船です!」


裕美子は
「神さまが嵐の海で加護をしてくれてないから罵ったの?」

「罵ったのには何か理由
があるのかな?」






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