The.Last.Days
嵐の大海原(1)
ザザァザザアァァ〜ンと
波しぶきと、どこまでも
突き抜けているよ〜な高いおお空に流れる雲
すぐの近くの陸地はアフリカ大陸‥喜望岬も近い
帆船は海上をゆったりと帆走中であった。
陸地が帆船から近いのか
空高くそびえるマストに
海鳥たちが羽を休めているのでした。
船長のアルさんとロシーターさんが空と海を見て何やら会話をしている。
「喜望岬も近いから、たぶん出会うでしょうな!」
と船長のアルの声がします
裕美子が大海原を
ぼーっと眺めているだけ‥
ロシーターさんが裕美子に伝えてくれたのである
「少し風が変ですからね
もしかしたら嵐がくるかのような気配です!」
裕美子は水平線の境を見てから
「あっ、嵐がくるのですか?」
ロシーターさんは
「ええ!海が時化てきたら船室にはいっていてもいいですよ!」
「船がかなり揺れ動くから船室の方がいいよ!
甲板にいてもいいけど‥」
やがて‥にわかに空が暗くなってゆく雲が低く風も
強くなってきたのであった
ヒュュュゥヒュュュ〜♪
そして鉛色のドンよりと
した海になって、塩気を
多く含んだ波風の飛沫(しぶき)が頬にあたるのです
羽を休めていた海鳥たちが
いつの間にか姿が消えてしまって、嵐がくるようでした。
裕美子の髪や顔や頬
に塩気を含んだ飛沫がかかる
「少し湿っぽいなぁ!
揺れも強くなってきたみたい。」
人間を拒絶するかのような
荒涼たる荒れ果てて
どこか淋しい感じを受けてしまう波風‥
三角の起伏の波間辺りは
だんだん暗くなってゆくのであった‥。
船長のアルが乗組員に海の男らしくかすれた大声で
「風が強いから全ての帆
をたため〜つ!」
「櫂(カイ)を出して漕げ〜つ!舵手はしっかりなぁ〜三角波に注意しろ!」
おおーっと声が響きます。
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