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The.Last.Days
海のオーロラ

静かなる海‥時化の海
朝日が昇り輝く海‥は
ときとして大海原はさまざまな素顔を垣間見せてくれるのです。

セイレーンの魅惑の歌声
が聞こえてくる難破の名所
無事に抜けて夜の静寂(しじま)の海を帆走してゆくのであった。

ロシーターさんが
「夜もふけてきましたね」

太陽はすっかり沈み
欠けた月は夜空高く暗い海とさざ波の音が静けさの中にかすかに‥

裕美子はやや船首の甲板から帆走する船を眺めている。

「あっ!暗い海の帆船のかき分けた波しぶきが?!

青白くビカピカ神秘的に
光ってる〜♪」

「あれはたぶん夜光虫の光りの輝きなのかなぁ!」

マリーチィーさんは
「裕美子さん…。」

「当たり!そうですよ。
夜光虫は海のオーロラと
言われてますよ!
神秘的な海の癒しですね。」
「でもどこか淋しさを
心が受ける現象ですけどね
この漆黒の海を眺めているとさ!」


裕美子は眺めてて
「うんうん!そうそう〜♪
海のオーロラかぁ‥
一生に一度で良いから空
のオーロラを見てみたいな」
「海のオーロラは、なんとなく寂しい気持ちになるよぉ!」


ザァンザザアァァ〜ンと
波しぶきを巻き上げる海

マリーチィーさんが夜の
静かな海を眺めながら呟きます。

「ここの世界はパラレルワールド!
幾つもの時代の流れが大きく一つに集結していてるから‥」
「そこからそれぞれ別の流れが様々に逆流したり出ていったりしているのさ♪」

裕美子は
「私は次元の目には
見えない壁を越えてやってきたんですね?
なんとなくですけど‥」


マリーチィーさんが
夜の静かな海を眺め
「裕美子のいる時代
なんかにも異境に迷い込んだ人びとの話しが古くからあるでしよ!
必ずや目には見えない
入口はあるんやよ‥。」

「たとえば左舷の海の
向こうにはまた別の時の
流れがあったりします‥」
「裕美子さんたちの
育った世界は三次元だけど
自分の時代も同じなんだけど‥それが複雑に絡み
混ざってるのがこの世界
なんですよね‥。」


ロシーターさんは
「裕美子さん‥。
もう船室へ入ってから
おやすみになられたら?」
裕美子は今度はかなり
眠気が強いようで船室へ
船室で横になるとそこは

船が波にゆっくりと揺れ
動く身体や肌で感じる‥
裕美子にとっては

それ海のゆりかご≠ナ
あったのでした。

すっかりと夢の寝床につくのは早かった‥。

*三次元、次元が3であること
我々が住む空間のように
上下、左右、前後の三つの独立した空間の方向の広がりをもっている世界のこと。

帆船は波しぶきを巻き上げながら果てしない海を帆走する‥。


もう海の夜明けは近い‥
裕美子が眠そうにし
トボトボと甲板に出てきて

目を軽くこすりながら‥
「う〜ん!ホントに
神秘的な景色ですねぇ
マリーチィーさん!」


見とれる裕美子
刻々と変化していく空の
景色が辺りを染め上げてゆく

水平線から太陽は昇りて
あかね色から変化する染め上がる雲が神秘的。






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