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The.Last.Days
嘆きの歌声


海の航路上の岩礁か
ら美しい歌声で航行中の人を惑わし難破に遭わせる…
歌声に魅惑されてしまった
船乗りたちの亡骸は島に
山をなしたという。

しかしセイレーンが歌声
を聞かせて生き残った人間が現れた時にはセイレーンは

岩となり岩礁の一部になったという。

しかし…声だけは止まらずに、ある時期になると歌声が聞こえてきくるという


ロシーターさんは
「裕美子さん!歌声を普通に聞こえていたら惑わされてたわよ!」

「セイレーンはもともとは
悲しみのあまり自分を自分で呪った人間なんです。」

裕美子がたずねます。
「悲しみの呪いですか?
もとは人間なんですね!」

ロシーターさんは
「不実な恋人に人生を絶望して海に身を投げてしまった乙女で

悲しみと淋しさのあまり水の精となっても…」

「彼女のその悲しみと淋しさの嘆きが歌声として聞こえてくるの!」


マリーチィーさんが
「それがあまりにも生きた人間の心のなかに入り込み
彼女の声は船乗りを誘惑して冷たい水の底へ…破滅へと導くのです。」


裕美子は静かに
こう呟きました。

「そうなのね…人の心の淋しさ苦しい気持ちや
もう生きるのに疲れたし
死にたいという孤独感を
誘惑するのね!

アチラへ行けば楽しいって魅入らせてしまう

彼女も淋しさで負けてしまうかもしれない

だから帰って来ない人を誘いこもうと自棄になってしまったのかな?」


裕美子を乗せた帆船
は果てしない海を帆走を
続ける。

次には何があるやらわからない。

セイレーンの岩礁地帯と
海峡‥太平洋と南シナ海を結ぶ‥

航路を沖合いに舵を変えて海峡には入らず帆走する。






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