[携帯モード] [URL送信]

The.Last.Days
セイレーンの嘆き


裕美子の見つめる先の岩礁の凹みには…

裕美子は目を見開き
一瞬ギヨッとしたのです
其処には暴風雨や潮風に
さらされた

シャレコウベ≠ェ小山
のように転がっていたのである!
*シャレコウベは雨風に
さらされ真っ白になった人の頭の骸骨。

そして何やらバサバサと不気味な翼の不気味音が聞こえてくるかのような
不気味な雰囲気が余計に強くなる。

船長のアルが
「おも舵いっーぱぃ!
帆脚綱(ほあしづな)と絞帆索でしぼり帆の向きを変えろ!」

♪♭♪¶刀♭♪¶♪刀
裕美子の頬に一瞬
冷たい氷のようなチクチクと何かしらが一瞬だけ触るような感覚を感じてた。

バサバサバサバサっと
冷たい水のような風がからみ頬を撫でるのであった。

♪♭刀♭♪♭刀`♪

ロシーターさんはライアー(回しオルガン)を鳴らして言葉を詠唱を始めたのです。

風は運び雨は命を…

火は力となり土へ
すべては始まりに終わる

泉から湧き出た水は
力となり命の泉となり

胎内(たいない)の如く
汝の魂を包みたまへ

永久の嘆き悲しみ
時を止めて、闇を払い

触れ合う、今もう一度
風、爽やかなりて…

ただ今勇気をもちて
心の戒め解き放ち鎮め

あなたの苦痛の翼は消え
自由の翼は空を舞う
空を空舞う…。

愛(あい)を守れり
その解放された力は

すべては繋がり
再び命を育(はぐく)む

われ、まさに今ここに
紡(つむ)ぎ結び連(つら)ねる。
テンプレントル・エトレーシャル


裕美子は眺めてて
「あっ!岩礁が不気味に
ぼーっと光らなくなってきた!やっと青白い光りは
鎮まったみたいですね。」

船長のアルを含め乗組員達が弓と矢を構えて、どんよりした雲めがけて放つ!


帆船は風向きと潮の流れにより切り返し、ゆっくりと小島や岩礁を抜けて帆走してゆくのでした。

裕美子とロシーターさんマリーチィーさん達は
帆走する帆船から次第に
遠ざかる…

岩礁の上で静かに佇(たたず)む金色の櫛(クシ)を手に持った髪の長い少女が残念そうに…


ニャッと一瞬笑った姿を見たという…。




7/10ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!