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The.Last.Days
時化の海
この大海原も夕陽が…
水平線に太陽が

裕美子の乗る帆船も
海のキラメキと海鳥の鳴く
声が海の静けさのなか響きわたります。


ザパ〜ァン〜♪

ザザザザアァァ〜ンと
波しぶきを巻き上げながら

果てしない海路を船は進む

裕美子が

「う〜ん!ホントに
神秘的な景色ですねぇ
マリーチィーさん!」


気づかなかった色彩に
見とれる裕美子


刻々と変化していく空の
景色が辺りを染め上げてゆく

海の夕焼け、あかね色
から変化する染め上がる
雲などがパノラマみたいに

この世界が発信している
さまざまなことが
かすかだけど確かに
裕美子は感じてました

マリーチィーさんは
海を眺めながらつぶやく

「うーん!空の色と雲行きが少し重たい感じやなぁ」
「風も少し違うなぁ!?
向こうから嵐がやって
来るかなぁ?!」


裕美子が

「こんなに天気が良いのに海が時化るのですか?」


マリーチィーさんは

「この帆船は狭間の海を
航海してるから大丈夫だよ!」

「だけど…目の前に広がる海の景色は過去の時と混ざっているからね!」


「つまりは 少し離れると
過去の海の現象が表れたり消えたりするのさ!」



やがて…雲行きも変わり
目の前の景色が一変し

帆船の左舷と右舷の海も
変わりだしました。


裕美子が眺めてて

「あれ?何かしら?
少し遠くに船らしきのが?
波間に見えたけど?」


裕美子の目や耳には
さまざまな現象の情報が入ってきます。


ブオオオッ〜オオオッ〜


ものすごい風の声が
ザザザザアァァ〜ズドォン
♪バキバキッ…と風に
乗って聞こえてくる音が


やや遠くに見える帆船は
航海の途中に
嵐にみまわれてしまい。

激浪(げきろう)に耐えきれずに、傷ついた船は…
大破…。

あえなく沈没してしまったのでした。


マリーチィーさんは

「あれは、過去の出来事
を繰り返して見てるだけ」
「もう…何百年も昔に
沈んだのでしょうね!」


ただ…裕美子には
その出来事は目の前での
ことでした。

ほんの数分前に垣間見た
目の前での海の現象に
他ならないのでしょう。



裕美子は黙って
目をとじて手を合わせて
その海の向こうにお辞儀を


船の甲板での出来事は
静けさと波しぶきの音が

響き渡るだけでした。

ギィギィギィ〜ギィと
船のきしむ音が風情を…

いつの間にか、帆船から
眺める空は…

無限に広がる星空に変わってました。




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あきゅろす。
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