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The.Last.Days
大海原へ

やがて この大海原にも
朝日が昇り…


裕美子の乗る帆船も
朝日の輝きと海鳥の鳴く声が海の静けさのなか響きわたります。

ザパ〜ァン〜♪
ザザザザアァァ〜ンと
波しぶきを巻き上げながら

濃霧をまわりにまとって
果てしない海路を船は進む

裕美子が
「う〜ん!なんとも
気分のよい潮風ですねぇ
マリーチィーさん!」


マリーチィーさんは
「そうですねぇ!
心地よい潮風が吹いてて
大海原は無限に広い…」


「裕美子さんの時代
から、はるか昔にこの海を自由に冒険した人たちも
いたからねぇ!」

「西方の大海の彼方に存在する夢の大陸を探して

船をだしていったのだよ!」

裕美子は
果てしない水平線を
ぼーっと眺めながらつぶやきました。

「大航海時代が昔にあったのですね!」


マリーチィーさんは

「そう!!
時の流れは、いかに壮大
な建造物でさえも幻の
ように消し去ってしまうのですが…」

「この帆船の進むまわりは
過去と現在の狭間だからねぇ…

この船をおおう霧が…
時間と次元の空間の軸を
歪めているから…」

「きっと…そのうちに
いろいろなことが起こりますよ!」


裕美子は

「それにしても、ねぇ!

この船には…たくさんの人たちのいる気配は何となくするけど?」

「誰一人としてお姿が
見えないよね?
ただ…透明な人影が
目の前を動くっていうか?」


マリーチィーさんは

「この船の船乗りさん
たちは裕美子さんの

生まれ育った島にも関連しているのだよ!」

「大丈夫だよ!
そのうち分かるかもね。
ふふっ♪」

と笑顔でいいます。


ザパ〜ァン〜♪
ザザザザアァァ〜ンと
波しぶきを巻き上げながら
やがて濃霧もはれてきて

果てしない海路を船は進む

裕美子のいる甲板から
眺める海…水平線は
右舷も左舷も船首も…
弓なりに丸くなっている

果てしない大海原の水平線が、ずっと続く…海。


きっと、この海原を
たくさんの船乗りたちが
自由にわかっていったのでしょうか?


さまざまな楽園伝説と
なった、伝説の理想郷を

求めて多くの人たちが
幻の楽園を熱狂して探した‥

彼らが目指した大陸は
本当に‥幻‥だったのだろうか?

中世には伝説の島、極楽島に

アーサー王伝説のアバロン島に…楽園への憧れなのか
永遠の憧れだったのか…


千代に八千代に時は流れ
流れてゆくのですから


裕美子は ただ甲板にて
ぼーっと空と海を眺めて
いた。



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