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The.Last.Days
白骨の勇者

裕美子は古びた帆船のまわりを キョロキョロと見る。


やがて霧も 薄れ 太陽は
水平線に半分は消えてく頃には

あたりも見えてきました
目がなれてきたのでしょう

甲板…舵のあたりには
もともとの船の乗組員らしき成れの果てが…


マリーチィーさんは

「ふるさとの港には
きっと帰れなかったのでしょうね!」

「この広い海に生きる
勇者たちの生前は…
精一杯頑張ったのでしょう
きっと海を自由に渡っていった船乗りだから」


裕美子は自然に静かに手を合わしていました。

「安らかに休んでくださいね!」と一言だけ


心の中で何を思ってたか
はわかりませんが…

故郷に帰れるのは幸せで
いくら好きで船乗りになり

かなりの時間を海上を
彷徨うのは…きっと誰しもつらいでしょう。



マリーチィーさんが
裕美子伝えてます…


「帆船の高いメイン
マストを見てごらんよ!」

裕美子は首をあげて
高くそびえるマストを
見上げて呟きます


「青白紫の光玉や赤い
光玉が…見える!」

マリーチィーさんは

「セントエルモの火だよ

船乗りの守護聖人の光り

この船の勇者たちは解放
されて聖なる存在に・」



マリーチィーさんも帆船
は動かしてませんが
まだ誰も居ないのに…


「きっと錨をあげて
開帆するから!
船が出る!走りだすよ」


帆船の先から望む海の
色は真っ暗な夜の海でした



開帆/かいはん
帆を掲げて船をだすこと



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