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The.Last.Days
幽霊船

裕美子は
「お腹は空いてないから
大丈夫だよ!」


とマリーチィーさんに
伝えながら、それよりも
辺りの景色の方が気になるみたいでした。


立ちこめる濃霧のなかを
不思議で綺麗な海を…

小舟が静かにゆっくりと
進みます。

マリーチィーさんは
裕美子に伝えます。

「この小舟で…沖合に
大型船が錨をおろして
停泊してるだろうから!」
「その船に乗り込もう」


裕美子は…
静かにうなずきました



やがて濃霧を抜けてきた
みたいでやや視界が広がり
夕日が裕美子のまわりの海を照らしてます。


まるで霧のうっすらと
まだ残る辺りが夕日の
光りに海面も朱色に染まるころ


マリーチィーさんの漕ぐ
小舟は…海をゆっくりと進み先の大海へ・・


暫らくしてやがて…
少し遠くに帆船が見えて

まるで霧の立ちこめる
海から急に現れたみたいな感じもします。


帆船、大型船の真横に小舟が停まりました。


裕美子がマリーチィーさんにたずねています。


「ねえ?帆船だけど・・
なんか?ふるいわね?!」

マリーチィーさんは

「過去の時代の船で
幽霊船とも言ってもいい!」

「留美の時代のここら辺
海にはもうないよ!
三本マストの風帆船だよ!」

静かな船の上には明らかに人の気配は全くしません…が

突如…梯子(ハシゴ)が
高い船の上から投げられて

マリーチィーさんの漕ぐ
小舟はそちらに寄せました

「さぁ!梯子を登って
帆船に乗りなされ!」


裕美子はゆっくりと
安全を確かめて上へ甲板へ  

マリーチィーさんは

「今は、この船の乗り組み員は裕美子の目には
見えないだろけど!
そのうち見えてくるから」

「たとえ肉体は滅びても
彷徨えるのをやめれば
姿ははっきりしてくる
迷いが解けて影ははっきりと見えてきますから!」





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