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The.Last.Days
島の伝説:5

ついにみんなの意見がまとまり老船頭の命令で

みんなで小島の一隅に深い深い穴を掘りて、その不気味な柩を埋めてしまったのでした。


この作業中はほとんど声を出すものもなくて…ただ黙々とそのうちに終了しました。


すっかりと埋めてしまって額の汗を拭きながら一同は思わずホッとした気持ちで互いに顔を見合せたほどでしたそうな。


裕美子に父が語ります。

老人船頭が、こう申しわたしたのだよ!


この時、老船頭は一同の者におごそかな声で

「皆の衆、よく聞いてくだされ…

今日は海で、わしらたちは、まことに不思議なことに出くわした。」

「こう今考えるとまるで夢のようじゃ!

これは、私たちの醜い心を試そうと海神様が夢を見させて下さったようじゃ!」

「しかし…この事が本当じゃったとしても…亡骸の入った柩をあばいた

わしらに後にくる祟りが ほんに恐ろしことはない。
ここにこうして、この柩を埋めてしまったほうが一番いいことじゃ!」


「この亡骸の女性の方も長いこと海を漂って淋しかったろうに‥

いまようやく陸地(おか)で安らかに眠りにつくことができるから…

知らぬ地に独りぼっちやけんどの…」


「いいか皆の衆、今日の出来事の埋めた場所はどんなことがあっても人に語っちゃいかん…

この事を、みんな堅く約束してくれ!」


漁夫、一同は深くうなづきをかわした。

たとえどんなことがあっても決して埋葬の場所は他言はしない。


二度とはこの小島には上陸はしないと誓いあったという。

それから月日は流れてゆくが‥


父が裕美子の時代まで語りしてくれた島の伝説でした。


今では その伝説の場所のあたりは島の岬の近くの海神さまのお社の近くだったと裕美子は父からよく聞いていたのを思い出していた。







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