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The.Last.Days
別れの時
続けてロシーターさんは
「夜も更けてきたら!
サーシェさんと一緒に
船室で休んでてね!」

「船が島に着く頃には…
起こしますからね!」


裕美子はうなずいて
からサーシェさんと共に

木製の扉をあけて船室へ
そこは…西洋風の飾りが
ほどこされた部屋へ
テーブルやベットがあるようです。


波が帆船を揺らす感覚が
身体に伝わってきます。


部屋にロシータさんが
やってきてから言います。
「もうすぐ霧の海を出ますわよ!甲板に出ましょう。」

ロシーターさん・・が裕美子に向かって言います。
「帆船は島の近くまで
行きますが・上陸には
小舟を使うのよ!」


霧もなくなり・・満月が
静かな海に光りの橋を
つくるくらい凪ぎであり
月明かりのもと静かな海がそこにはあったのです。


ロシーターさんが続けて
「裕美子さん、貴女
の生まれた島に帰ったら!」
「この帆船は・満月の夜
の水平線の彼方に彷徨ってるわ!

星空の澄んだ満月の
キレイな夜の日だけ島の
岬からきっと見れるから…」

裕美子はちょっぴりと嬉しそうに
「満月の夜の海なのね!」

サーシェさんと船長たち
やロシーターさんが言う

「裕美子さん、
どうか私たちを永遠に
忘れないでね!」

帆船は、ゆっくりと夜の
海を裕美子の生まれ
育った島のすぐ近くへ・・

帆船は錨(イカリ)を海中へ
乗組員たちが海上へ小舟
を降ろしてくれたのでした
サーシェさんが一言
「裕美子さん♪
もう…ここから先には
あなた一人で島の方へ
上陸しなさい・・」

裕美子は淋しげに
「うん、いつか…」
と言って小舟に乗りこむ


そこには、満月の夜は
明るく波の音が奏でる

ザザザザザァァザザザザザァァザザザザザァァと
微かにするだけであります

島の海岸線は月明かりにて…ぼんやりとわかります。

ロシーターさんが…
「私たちは、ここで…
お別れです。」
船長さんたちがうなずいています。

ロシータさんは淋しげに
「私たちは・かりそめの縁(えにし)なんですよ!」


帆船の乗組員が悲しそうに
「裕美子さん…
さよなら、元気でな!」


*かりそめ=その場限りで
ある・こと(さま)一時
*縁(えにし)関係・繋がり


サーシェさんも笑顔で
「裕美子さん
どうか!いつまでも元気でね!」

裕美子は・・・・・・・
「みんな…ありがとう」
と呟いてから

月明かりの中で皆の顔を
まじまじと見るのであった
その瞳には・涙をためてた

船長アルさんが叫びます

「おおーい、裕美子さま、どうか元気でね!」

「我らは、また大好きな
大海をさ迷うから!」


裕美子は・・1人で島
の岬へ小舟を漕いでむかう
ギギィギギィィ…と
オールの漕ぐ音が静かに
海に、そこに響きます。

裕美子が、だんだんと離れゆく帆船を見つめる


そこには、ロシーターさんたちが手を振ってました!
お別れの…でしょう。


裕美子は、遠ざかる
帆船を眺めて振り返り手
を振り!
「さよなら〜サヨナラ♪」
と大声で叫ぶのであった。

やがて帆船がとおくに
小さくなっていきます。


風の便りか…?
裕美子の耳元に微風
が帆船のほうから…

「また いつかねぇ!」
と聞こえた気がしました。

やがて帆船も夜の水平線
の彼方の海に吸い込まれて
ていくように見えなくなっていきました。

裕美子の漕ぐ小舟は
岬の砂浜へ近寄ってきた。
小舟のまわりは水深が浅くなり寄せては引いて繰り返す波の奏でる音がハッキリと夜の海に響き・・・


裕美子…
舟から沖の海を眺めて
「船は見えなくなっちゃった…もう帰ってきたのね!」
とポッン呟くのであった。




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