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The.Last.Days
夜の霧の海
裕美子はサーシェさん
と再びの出逢いを喜んだ。
サーシェさんが・・・
「伝えないといけない事
があるからね!
だから逢いに来たの…」

裕美子は・・・
「マリーチィーさんと
エルザさんは?!」
とボソボソと呟き
たずねるのであった。


サーシェさんが静かに
首をふってから重たそう
に口をあけた。

「マリーチィさんは
生きようと必死だったけど…
エルザさんともども…」

「もう、すぐに地殻変動
がおきてしまって…
ホントに残念だけど…」


裕美子は何も言えず
一言だけ。
「サーシェさん、どうも
教えてくれてありがとう。」
と静かに呟きしてから
満月の月明かりが照らす
静かな夜の海を眺めて
遠くを眺めているだけでした。

サーシェさんが淋しそう
に語ります。

「裕美子さん!
たとえ!どんなに高度な
知識を持ちながらも…

なんらかの災厄を契機に
滅んでしまう事もあるのよ!」
「文明は…人の心次第だから」

裕美子は呟く。
「理想郷か幻か…やがて
真実の記憶は失われてしまうのかな?
私は忘れないよ!」

「ほんとは遠い昔の
出来事だったのですよね?」

サーシェさんは静かに
「ん〜っ!
タマシイの想いでよ!
裕美子さん。」

しばらく潮風にあたる
裕美子であった…

ザザザザザァァザザザザザァァザザザザザァァと
ゆっくりと静かに夜の
海を帆走していく


ロシーターさんが言います
「裕美子さん!
これから先に霧の海に
入りますからね!」
「霧の海を抜けたら
もうそこは…裕美子
の故郷だからね!」


裕美子は・・・
「も、もうすぐなんですね!」

船長のアルさんが言います
「裕美子さまの時代
と繋ぐ海域へ入るのですわ!」

帆船はゆっくりと前方の
あまり見えない霧の夜の海をゆっくりと進んでゆく。

ザザザザザァァ〜ザザザザザァァザザザザザァァアァと波の囁きが聞こえる。


ロシーターさんが
「裕美子さんの
生まれた島に着く頃は
まだ!夜の時間だと思います。」

裕美子は淋しげに
「そうなんですね!
別れはホントにツライなぁ…」

ロシーターさんとサーシェさんに話しかけます。

サーシェさんとロシーターさんはうなずいてから

「そ。う。ね!船長たちや私たちもよ!」
と慰めるように語り掛けます。

やがてロシーターさんは
「私は大航海時代
に裕美子さんの島の
遥か沖合を遠征の途中に
通ったのよ!」

「私は…裕美子さん
の島とは、とても深い縁
があるのですよ。

私の、なきがらが…」


裕美子は・静かに
ロシーターさんの顔を
見上げてから
「…!?」「?」「…!?」
「もしかして島の伝説の
宝と関係があるの?」
とたずねた。

ロシーターさんは
「うふふふっ♪」
と、ほほ笑みをうかべて
ただ!にこやかにしているだけでした。






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