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The.Last.Days
終焉の大陸

裕美子は船の上で
考えてました。

『ポンペイみたいに
何らかの理由により滅びて
長い年月をえて発見される

愛し合う男女が
手と手をつなぎとめて
はなさずに掘り起こされた

永遠の愛の証もあるんだろなぁ…と』

裕美子は呟くので
あった。
「深い深い海の底は
冷たかろうに…と?!

肉体は滅びても来世で
時をこえてから

また彼ら、エルザさん
マリーチィーさんは

かならず巡り逢える
日はくるんだろうな!」


帆船はゆっくりと
裕美子の今までいた
大陸を離れて行きます。


しかし…大陸はもう
其処にはありませんでした

あとは、澄んだ満天の
夜空には星々が輝きて
月明かりが船の甲板を

ただ少し明るく照らしてます。

裕美子は涙を瞳に
溜めながら…ぼんやりと
星空を眺めていた。

「夜風が強いなぁ…
もう、逢えないのかなぁ?」
と独り言を呟くのであった

ロシーターさんがそばに
「裕美子さん!
少し横風がでてまいりましたね!」
「夜の海の潮風は冷たい
から寒くないですか?」
とたずねたのです。


裕美子はうなずきて
「少しだけ肌寒い…」
と静かに呟くだけでした。

ロシーターさんは
「裕美子さん
船室へ入られますか?」

裕美子は
「ううん、大丈夫…」
と呟く、大陸のあった海
を眺めていたいのでしょう。

ロシーターさんは
「船長さん!開き帆を左へ!」

船長のアルはうなずき

「おも舵いっぱ〜い!」


裕美子を乗せた帆船
は海をゆくのでした。

裕美子は船の上で
考えながら、ただ海面を
ぼーっと見ているのであった。

あたりの海は静かで船の
進む波飛沫の音と吹きつける潮風の幻想的な音が…

淋しげな音楽を奏でているかのようであります。


ロシーターさんは満月指して云います。
「裕美子さん!
上を見てごらんよ♪」

裕美子は夜空を見上げて
「私の生まれた所では
見られない大きな月…

それに…なんて!星の数
なんだろう!満天の星空♪」

満月の明かりが優しく
帆船の甲板を照らしている。

ロシーターさんは云います
「昔も今も星空は変わらないね!
星は永遠的に輝いてる。」



かっては雄大な山脈と
豊かなる大地に囲まれ

豊かな食物と高度な文化
に彩られた、この世の楽園
まさにユートピアであった
彼らは……

山から石を切り出し

住まいを刻み

安全だと考えていた。

ある日、北の山から

巨大な力の一声が

彼らを襲って,,,,,,

彼らが特別の知識と技術
で営んでいたことは

何も役に立たなかった。

そして…眩しい太陽が

一万個集まったほどの

明るい光りと煙と火が
からみあった

光り輝く柱がそそり立った
それは…未知の武器…

生きとし生きる動物

都市、住民、文明の

すべては灰と化した…

終焉(シュウエン)のときは
訪れた…。

大陸は波のように
うねり……

火柱が大空を染めた。

そして…大津波とともに

一夜の惨劇

海中に、その繁栄を
誇った姿は消したのである
それは大陸の一部なのか?
あまりの巨大さの
ために空中に浮いてる

山や山岳地帯の
一部なのか……

まさしく驚異である

巨大構造物が……
空へ旅立つ

それは全長が途方もない

300キロはあろうか

人でないものを乗せて
空をゆく新天地へ

天上の雲をも突き抜ける
巨大な…陸地ともいえる

規模の構造物が
空の彼方へ消えてゆく

そして…月日は流れゆく
のでしょう。





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あきゅろす。
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