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The.Last.Days
アクロポリス(3)

しばらくしてから呼ぶ声
がマリーチィーさんでした
「裕美子さん!
コチラへ入ってきて!」

裕美子は向こうの部屋へ入っていった。

「あっ!はじめまして!
こんにちはぁ‥」

そちら側の部屋には髪の
長い若い東洋系の顔立ち
をした女性が‥

光りを取り込む窓越しに
椅子に腰かけて座っているのでした。

そして‥その傍に立って
いる護衛兵らしき、朱色の鎧(よろい)を被(かぶ)った人物の姿がありました。


マリーチィさんがいいます
「嫁のエルザ≠ナす!」
「嫁は口で言葉が話せません!だけど‥テレパシーで何時も私たちは会話しているのです。」


エルザさんが裕美子
の方を見上げてから
ニコッとします。

「こんにちは!裕美子さん‥。
ゆったりと寛いでくださいねっ!」


裕美子の脳裏には
自然に言葉がダイレクト
に入ってくる不思議な感覚的なモノを感じた。

「あっ、はい!よろしく
お願いします。」
と返事をしたのでした。


また続いて、マリーチィーさんは紹介してくれました
「そばに、いらっしゃる
警護のお方は‥
アメン・チュッパ≠ウんです。」

裕美子に深々と
お辞儀をして下されました

そのお方は頭はオオカミ
みたいなハイエナみたいな
顔つきとタテガミと丸く
ルビーみたいに光る目を
もっている人物なのでした。

裕美子はちょっぴり
怖い感覚もありましたが‥
筋肉質の人間の身体に
頭部だけが違っているだけであります。

きちんと言葉も話す‥
彼は間違いなく、この大陸の人間なのでありました。

アメン・チュッパさんが
「こんにちは!裕美子さん‥
よろしくお願いいたします。」
と話しかけたのでした。

裕美子は何だかホッとした感じになりまして

「あっ、こちらこそ!」
とかえしたのでした。


この大陸の海に沈む夕陽
は幻想的で、とても大きな夕陽に感じられる‥。

海の遥か向こうには‥
裕美子の生まれた故郷もあるのでしょうか?

この大陸の時間がゆったりと流れてゆくのでありました。

マリーチィーさんと
エルザさんは2人きりで
部屋にいるようでございます。

都市部の街並み‥
水路の運河や行き交う船や平野や雄大な山並み‥・・

やや楕円に広がる無限の
大海原の水平線の空に
夕焼け雲‥大陸の一日が
終わろうとしていました。




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あきゅろす。
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