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The.Last.Days
海中散歩(2)


そこで海面スレスレで
ストップしてしまった‥
そして海面に浮かんだのでした。

その高度にも感じる飛行艇
そう両翼らしき部分には
タービン状の穴があり

何やら光りながら高速で
回転しているようです。


サーシェさんが
「珊瑚礁のある海底に
ゆっくりと行きましょう」
と進路を決めてくれた。




飛行艇の後部には噴射用のノズル状なものが3つある
さらに後部には小さな
水平翼が見てとれる
水中も可能のようです


やがて静けさのなか水中へ‥

裕美子が眺め水中の
目の前に展開する景色に言葉を奪われてしまう‥。

「す、すごーい!透明度
が半端でないよ〜お!」


シーンと静まりかえった海中に身をおくと‥

海の中は‥まるで夢のように感じられることが‥


裕美子はつぶやく
「いつまでも、この場に
留まっていたいという
気分だよ!」


サーシェさんが
「海を旅するっていいよね!」

そこは・・・放射状に降り
注ぐ太陽の光りが‥
まばゆいほど波間を照らす世界。

魚たちが、シルエットを
描きながら優雅に通過していく。


裕美子はアッと
「魚たちが大群で押し
寄せてきたけど、コチラ
の前で進路を変えて‥」

「一直線に海面の太陽の
射し込む光りの中へ消えていったよ!」


裕美子の生まれた島
にはサンゴがある‥
珊瑚礁を泳ぐのは‥ー
どことなく気分がいいもの
泳ぎたいと思ったのでした

裕美子はテーブルサンゴやエダサンゴのつくる
海底の森には、いつも心を癒されていたらしい‥。


マリーチィーさんは
「海中の雄大な自然は
素晴らしいデスよね!」


「クジラは来ませんね‥
まだ時期が早いみたいですね?」

「そろそろ浮上しましょう!」


飛行艇が海中から海面へ
浮かぶと‥

そこには何隻かの
ガレー軍船が海上を勇ましく掛け声をかけて乗組員
らは一生懸命に櫂を漕いでいる‥。


裕美子は
「ココには私からみたら
旧時代の部分と‥
まったく未知のテクノロジーの文明が同時に存在してるのですね?」


サーシェさんが静かに
語りはじめたのでした。

「はるかな昔に、天空から降りてきて‥ココに私たちの種族をつくった神が去ったあとでも‥」


「私たちと人間たち人々
は、知恵やテクノロジー
を教えたり生かして文明
を築き上げて、今は共に暮らしているの!」

「裕美子さんの時代には‥
私たちは隠れてしまったの‥」

寂しそうに語ったのでした。


裕美子は
「そっか‥文明や科学ってニュートラルかもしれないなぁ‥」

と内心の言葉で外を眺めていた。


かってはこの大陸は‥
多くの港を拠点とし中継貿易を行うことによって‥
富と繁栄をほしいままにしてきた。

いわば海洋王国であった。

海面に浮かんでいる飛行艇から眺めている景観もよい
裕美子は
「ほーんとに!ココは雄大ですね!」

ザザザッ〜ザザザッッツ

ザザザッ〜ザザザッッツ

波の織り成す音が心地よい




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あきゅろす。
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