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The.Last.Days
野賊との遭遇(2)

マリーチィーさんが
「鳥と木々の騒めきが無くなった…何か気配が…」


サーシェさんもうなずき
「ええ!一度威せば奴ら
は消えてしまいますから」
「裕美子さんは座る
台の下の方に入っていて」
と優しく声をかけてくれた。

兵士のアラザン殿が
「襲って来そうですな!」
「我々がいるから
すぐに逃げてしまうでしょうが!」

バタバタバタ〜ザザザ
バタバタバタ〜ザザザ


木々が揺れる音が微かに
バタバタバタ〜ザザザ


突如‥静けさを打ち破り
木々の茂みから投石と槍を投げつてきたのだった。

ゴンゴン!ヒューン!
ゴンゴン!ガッ!ドン


サーシェさんは
戦車から飛び降りた。

「な…なんたる異様な
いでたちなんだ!」
「もう理性を無くして
しまっているか!」

茂みから出現した〜
目の前の異様な集団が
そこにはいた。

まったく手入れのさえも
してない錆びれた剣を持つ
異様な‥いでたちの姿で

ウーッヴ-ツ‥ウーッと
低く吠えるような声も混じって聞こえる


兵士のアラザン殿が
「おのれ〜賊どもめ!」

「弓兵は引き付けて放て!」
「突っこめーぇ!
剣を抜け〜負けるなぁ!」
オーツと兵士声が
静けさの中で響くのであった。

ヒュッヒュッヒュッと
弓矢が空を飛びかい‥


マリーチィーさんは
馬の引く戦車の上で
投げてくる槍や投石を防ぐ‥

マリーチィの抜いた短剣
が輝き‥向かってくるモノは払い除けると‥


ジュッージュワージュッージュワー
風に舞う黄砂の如く‥
たちどころに消えてゆくのでした。


サーシェさんは剣を
鞘(サヤ)からガシャ!
シュ〜バンと素早く剣を抜くのであった。

相手に威嚇の構えの
ポーズをした、剣を前に
頭上にかかげてから

投げてくる槍を振り払い
「さぁ!どうした。
かかって来ぬか!」


グワッ〜と俊敏な動物の
如く、その獣のような
原住民はジャンプして飛びかかってきた。


サーシェさんも猫科の
俊敏な動きで大地を素早く蹴りあげて駆け巡りて

ガキッ!キッシュッキキィン〜

剣と剣が互いに重なり
あわす音がけたたましく響く

剣を右手で持ち相手の
さばく剣をさえぎりして

左手から‥鋭利な爪が
シャキーンと出すのであった。

鋭利な爪で引き裂き
怯んだ相手を‥
ドコォッ〜ゴボッ…シュバッーザザザッ‥ドコッ。

サーシェさんは
迫りくる剣を防ぎ返し

一刀両断に切りつけた
「ウォォリャー!ふん!
たわいもないわ!」


グアアアア〜ツ!!ドサッ
けたたましい叫び声と
共に腕を切り落とされた
原住民は林の茂みへ早々
に逃げてしまった。


マリーチィーさんは
「ハッ‥ハッハッハッ‥
ハッハッハッァァ!」

「すぐ、音(ね)をあげて
引いていきましたな!」


兵士のアラザン殿が
「もう、震えあがって
襲っては来ないでしょうな!」

辺りは静けさが戻っていた
辺りを警戒しながら道のりを抜けていった先には‥


大海原が永遠と広がる景色だった。


マリーチィさんが
「裕美子さん!!
もう‥大丈夫ですよ!」
と声をかけてくれた。


裕美子は隙間から少しさっきの出来事を覗いてたみたいで‥

「少し怖かったよぉ!」

「でも‥あれは‥もはや人間ではないよね!」


サーシェさんが
「いえ!人間なんですよ
もともとは?森で生まれ
変わり果てた人間なんですよ」

裕美子は大海原が
永遠と広がる景色を眺めて

「ふーん!盗賊かぁ‥」
とつぶやくのであった。

そして‥
「あっ!海に沢山の船が出てるよ!船団なんだね。」

マリーチィーさんは
「あれは‥軍船ですね!
戦のための船だから‥」


夜間は近くの海岸に停泊
をして休む三段櫂船(ガレー軍船)だった。

ココからの景観は素早く
エメラルドブルーの海と
碧い空‥まるで空と海の
境がないぐらい‥

同じような空と海です。

裕美子にとっては
一時の癒しの海岸であり
やがて思い出となる‥
この幻の大陸の景色です。




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あきゅろす。
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