[携帯モード] [URL送信]

〜闇夜物語〜
メキシコの女王の宝物10



遠(とお)き昔より
数多(あたま)の時を
ついやして

古(いにしえ)への
思ひを温(たづ)ねて

終(つ)いには
百余年(ももとせ)の
歳月(としつき)の
間(はざま)をまたぎて

季節も巡りし風の音遠く
耳通う民話の調べ…

夢まぼろしの遠い昔の
ものがたり


語りつがれる伝説と
いっても実際今から
数百年まえのの遠い記憶
の物語りでもある。


カツオ漁船の人びとは
以上の事実(史実)を
よく家人に語り聞かせて
いたという。


そして親から子へ語り
聞かせていく物語りだった

しかし、柩の埋蔵箇所に
ついては何せ埋葬場所
でもあるのですから


だれ1人として決して
語らなかったという
エピソードがあります。


つまり、この伝説の話しは
その漁師たちによって
代々伝えられてきたもの
である。


欲に眩んだ人間の醜い心
を象徴するかのごとく

ただそこらの島を掘って
欲望に目が眩んだ夢中に
なった、よその人びとが
過去からいままでも
あとを断たないありさま
であります。


ただしこの伝説のお話
にはもう一つの続きの
語られていないお話が
あります。


その金色の髪の亡骸の
お方も泣いたり笑ったり
して生きたんですから…

可哀相なお話です。


故郷にお墓を作る事が
出来なかったんですから。

父にも母にも逢えない
まして親しい友人にも


遠い遠い異国の日本で
いまもなお静かにお眠りに

ロマンチックというか…


人は死んで海に流されて
漂うのは嫌だと思う。


日は昇り月が出て欠けて
波間を漂って可哀相…

生前は本当に幸せか
どうかは誰にも解らない。

そして!なにゆえに
メキシコとなるのか?

これらの調査
をした人が、当時の歴史
と潮流もしらべ


ちょうどそのころ内乱に
追われたメキシコ女王の
亡骸を箱につめて海に
流した史実があることが
わかり


潮流にのって柩が
はるばる流れてきて

日は昇り月が出て欠けて
ゆく年月をへて
太平洋を越えて漂着した
ことを推測想像されて…


以来、村の人びとは
これがメキシコ女王の柩
であったと語りつがれる
ことになったという。


メキシコ女王の亡骸と
莫大な財宝をも

奇妙な箱、女王の柩


如何なる哀しい物語りが
秘められているのだろうか?


未だ島の何処に静かに
埋まっているはずである。
亡骸と共に…


[*前へ]

10/10ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!