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∞陰陽道探究∞
陰陽道と呪咀について


関白太政大臣
(かんぱくだいじょう
だいじん)の

藤原道長が、建設中の
法成寺(ほうじょうじ)

(道長の御願寺)の検分に
出かけたときのこと。‥


寺の門をくぐったところで

白い愛犬が道長の直衣
(のうし)の袖(そで)を
くわえて引っぱった。


どうしても、はなそうと
しないので、

ひどく不審に思い、
後日、晴明に相談した。

すると、晴明は、
犬の様子が
おかしくなった場所に‥
マジモノつまり
(災厄が人におよぶ
ために神霊に祈願する
こと)

の道具が埋められている
はずだと告げた。


はたして、その場所を
掘らせると、

異様なモノがでてきた…


ふたつの土器を
重ね合わせて、よられた

黄色の紙で十文字に
縛ってある。


晴明は、ふところから
一枚の紙を取り出し、

それを鳥の形に
切って空に飛ばした。

紙の鳥は、都の上を
低く漂いながら
晴明をみちびいた。


そして、晴明の宿敵で
ある道摩法師
(どうまほうし)の館
の屋根に落ちた。

結局、道摩法師は‥‥
左大臣藤原顕光に
(あきみつ)
呪咀を頼まれたと白状し、

播磨(兵庫県南西部)に
流されることになった…

この伝説にも、式神と
思われる紙の鳥が
出てきますが

それよりも、ここでの
インパクトを与えるのは

道長を呪ったマジモノの
なまなましさです。

よられた黄色の紙で
しばられた二つの土器は、
ゆがんだ怨念を像にした
奇怪なオブジェそのものです。


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