神の名鑑
天照大神
『天照大神.天照大御神.天照皇大神.神明さま』
八百万の神々のなかでもトップランクに位置することから、日本の総氏神(総元締め)とも言われている。
「天照」とは、文字通り天に照り輝く太陽≠意味しています。
その名に象徴されるように太陽神の女神であり、同時に日本の皇室の祖神としても祀られています。
「有名な天岩戸神話の主役」
天照大神は、イザナギ命が日向(宮崎県)の阿波岐原の海で全身を浄め、最後に左の目を浄めたときに生まれた神です。
美しい日の神の誕生を大いに喜んだイザナギ命は、自分の首に掛けていた玉飾りを取って、天照大神の首にかけてやり「お前は高天原(たかまがはら)を支配しなさい」と命じた。
このとき一緒に生まれたのが夜を支配するツキヨミ命と蒼海原(地上空間と海)を支配するスサノオ尊です。
「天岩戸神話」とは、高天原におけるスサノオ尊の乱暴狼藉を恐れた天照大神は、天岩戸(洞窟)に身を隠してしまう。すると世の中は光りを失って闇となり、悪霊が暴れまわって悪さをし世界中に災いが起こった。
困った高天原の神々は、天岩戸の前に様々な御供え物をし、みんなで集まって騒いで大笑いをして大神の関心を誘った。そんな外の騒ぎに興味をもった大神が、やがて天岩戸から出てきた。
すると世界に再び光りが満ちあふれ、悪霊も鎮まり一切の災いも消え去った。
天照大神が女神であることは常識ですが、一方では力強い男性的な性格も秘めている。
古事記には、それを象徴する次のようなエピソードがあります。
地上から乱暴者のスサノオ尊が高天原の天照大神を訪ねて来たとき、大神は高天原の支配権を奪いに来た≠ニ警戒してすぐさま武装して対峙した。
その時のスタイルは、まず髪を角髪という男のヘアスタイルに結い直し、左右の角髪や髪飾り、さらに左右の手に五百もの勾玉を糸に通した長い飾りを巻いた。
そうして千本の矢が入る靱(ゆぎ)を腹に抱え、大変な強弓を手にした。そうやって完全武装すると、相撲の四股を踏むようにして両足を大地にめり込ませ、地面を蹴散らしてスサノオ尊を威嚇した。
勇ましい天照大神の姿は、まさしく男性の武神そのものである。
このように美しい女神から男性的な武神への変身、そういう途方もないパワーを備えている、この神は、古代の王権において国土平安の守護神として信仰されたのです。
このようにアマテラス大神は、太陽の女神としての大地母神的な性格と武力.軍事力に象徴される男性的なパワーを兼ね備えている、
それが数多の男性神を押し退けて、日本の総氏神として八百万の神々の最高位に君臨している一番の理由なのです。
なお、伊勢神宮の天照大神は、俗に、お伊勢さま、と呼ばれますが、この神霊を分祀してまつる神社のことを神明社といい
そこから、神明さま、などという呼び方もされたりします。
全国にある皇太神社・神明社は一万八千社にのぼります。
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