My Rabbit
■ろク
「あっていますよ。その人でいいんです。」
怨はにっこりと女性受けのいい笑みで答える。しかし、マリアには効かない。
「…怨、気持チ悪イ。」
「…言うな。」
引きつつあるマリアに、怨は眉をしかめた。そのとき、二人とも忘れていたが、男のうめき声に視線を男に戻す。
「…『血染めの狂い兎』が何故此処に、」
「『血染めの狂い兎』か。久しぶりに聞いたなそんな名…、皆怖がって、俺たちの前じゃ言わなかったし。でも、流石に下っ端の下っ端でも知っているよな。自分ちの最終兵器ぐらいは。」
怨はへんな感心を持った。しかし、そんなことどうでもいい男は言葉を続ける。
「その白い髪、白い服、幼い少女、目の漆黒の包帯!!あの化け物じゃねぇか!!!!!」
血反吐を吐きながら叫ぶ男は怨の雰囲気ががらりと変わったのに気付かなかった。何かしだしそうな彼を止めたのはマリアだった。
「怨、」
マリアの声に怨は厳しい顔をして、やめた。
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