私依存症 捌 「シーちゃん?」 「俺らの為、だ。」 戻ってきたらしい湖夜壬の声が背後から聞こえた。 「どういうことなの?」 架廼来は湖夜壬を見上げ、シンからは未だ止まない笑い声が、ツミからは気付かなければいいものよ。と不機嫌な声が聞こえた。 「…ツミ様、先程の彼女は他の女中に預けました。念の為、口止めはしましたが、効力の程はなんとも・・・。」 「いいよ。ありがと。」 お礼を述べたのはツミではなくシンだった。ツミはというと、不貞腐れているらしく、シンに抱きついている。 「湖夜壬?」 「あぁ、俺らが遅れたからだろ。」 そういうことか、と架廼来も気付いた。 . [Back][Next] [戻る] |