雪桜伝
五
「･･･ふふ。霧霞にしてやられたみたいね。」
笑う月華に十六夜は首を傾げた。
「どういうこと？」
「お前もこいつを見習え。そういうことですわね？霧霞。」
え？足音に十六夜は振り返ると、そこには霧霞が立っていた。相変わらず、気配消すのが上手いな〜と感心する。それよりすごいのは、それの気配に気付く月華であるが･･･
「十六夜余計なことを言うな。」
「あら、キリ。貴方は口止めいたしましたの？」
ニッコリと笑う月華に霧霞は舌打ちをする。
「･･･ホント、朧はお前に似てきたよ。」
捨て台詞かどうか分からない言葉を投げて、霧霞は自室へと戻っていった。
「どうやら、貴女のことが心配していたらしいですわね。」
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