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雪桜伝


「・・・始めは霧霞に軽くお願いしたの。そしたら『市販で買え』と言われて・・・。でも、それでもお願いしたんです。皆に感謝の気持ちを伝えたいから。って。

朧がいたから私は絶望しないで生きてこれた。

霧霞がいたから楽しく笑える。

柳がいたから喧嘩することが出来る。勝てないですけど。

そして、月華サマ。月華サマがいたから、私は私と朧は今ココにいることが出来る。」

「・・・十六夜。そんなこと、そんなこと!ワタクシは・・・!」

悲痛な声で叫ぶ月華に十六夜は笑って首を振る。

「月華サマ。私が今ココにいることを悔やまないで。私たちの喜びを悔やまないで下さい。」

「・・・」

月華は黙ったまま、何も言えなかった。

「そしたら、霧霞は月華サマに教えてもらえ。って。秘密なんだが、料理は月華サマの方が旨いんだ。って。」





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