雪桜伝
一
「月華サマ、お願い!」
「・・・は、い!?」
神様に祈るように頭を下げる十六夜の願いに流石の月華も驚きを隠せない様子で、目を丸くしていた。
早くもところ変わって、男3人(陽樹以外)は理由も分からずに外を歩いていた。それもこれも有無を言わせぬ笑顔の月華に追い出された結果だった。
「なぁ。俺達は何でここを歩いているんだ?」
「師匠に立入禁止令を出された結果だと思いますが?それも始めはキッチンだけだった気がしますが、調子に乗ったどこかの誰かの柳のせいで家自体から追い出されたと思いますが?」
何か違います?爽やかな笑顔の朧に柳は舌打ちをする。
「お前、月華に似てきたな。」
「光栄です。反論が無いということは肯定されたと見てもいいんですね。」
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