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Beauty Is Complex!
H


咲ちゃんside





「……(ぶるぶる)」



「……(にこにこ)」




…何でこいつはここにいるんだ。何でこいつは笑ってるんだ。何で何も喋らないんだ。何で俺はこいつに怯えてるんだ。っつーか、俺はここでボケってできないんだぞ!





「…帰ってくんない?杏樹探しに行かなきゃいけないから。」


勇気を出して言ってみた。



「黎尓が探しに行ってくれてますよ。」


表情を変えずにニコニコだ。



「あんた、杏樹に用があるんじゃないのか…?」




「まぁ…それもあります。が、あなたに少し興味がありましてね。」




「はぁ?」


興味って何の興味だ?前に1回しか会ってないのに。







そんな時、電話が鳴った。うちの電話ではなく、彼の携帯電話の着信音か。無機質な電話の音だ。なんか無性に着うたとか設定させたくなるよな。森のくまさんなんてどうかな…。






「ああ、…え?、はい……そうですか。分かりました…伝えておきます。じゃあ、僕も今日は帰らないって寮長に伝えてくれません?よろしくお願いします。」




あれ、なんか危険なwordが入ってませんでした?go home しないとか、言ってませんでした?ヘイ ユー…気のせいだよね?ヘイ ユー




「黎尓から連絡がきました。今日は杏樹くん…黎尓の部屋に泊まるそうです。」




「そう…か。」




杏樹が帰らないなんて、今までなかったことだった。俺が怒ったせいだろうか。それとも…。




「ということで今日は僕があなたといますよ。いろいろと、好都合なんでね。」










なんでだー!?なんでそうなる!!?








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