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黒白ノ風
212 予想
中忍試験は微妙な幻術にかかり、失格。
合格すると過信しすぎていたためか受からなかったショックはそれ以上に大きい。
私は自暴自棄に陥っていた。

 「あ゛〜」
活気で賑わう木の葉茶屋通りをその場に合わないテンションでふらふらと歩く。
道行く人が必死で私と目を合わせないようにしようとしているのが分かる。
 「あ゛〜」
…落ちたよな。
中忍になってないの私だけか。
・・・まてよ、ナルトもそうだよな。
でもナルトと比べてもなぁ。
・・・まぁ私暗部だから大丈夫か!
…そういえば最近任務してないな。
というか、幻術解けない暗部っていいのか!?
・・・よくないよな。

 「ハァ〜」
盛大なため息をつき、うなだれる。
ドンッ
そんなことをしているから前方不注意になってしまうわけである。
人にぶつかってしまったのだ。
私がぶつかった人もぼーっとしていたらしく、手に持っていた紙袋を落とした。
中からはカランカランと墨を作る原料となる木炭が出てきた。
 「すんません、ボケーっとしちゃってて…」
 「いえ、ボクも上の空でしたから」
そんな会話を交えながら木炭を拾う。
手にパラパラとした黒い墨が付いたが気にしない。
 「はい!どう・・・ぞ?」
私は拾った木炭を相手に渡そうとするが、その手は止まる。
木炭を落とした相手が見たことのある人だったからだ。

 「・・・?」
相手の人は顔を凝視する私をいぶかしげに見ている。
 「…あぁ、はいどうぞ」
このまま顔を見ているのも悪いと思い、私は持っていた木炭を相手に返した。
 「ありがとうございます」
相手はにっこりと作り笑いを浮かべる。

…白い。
予想以上に白いぞ!
何食って生きてんのこの人?

作り笑いと白い肌…
もうお分かりであろう。
私がぶつかった相手はサイである。

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あきゅろす。
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