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黒白ノ風
413 武器
 「水月」
敵に向かって駆けながら水月に話し掛けた。
 「何?サチ??」
 「武器持ってないでしょ?」
 「…まぁ、ね・・・」
右上に目をやりながら頷く。
水月は武器もなしにどうやって戦うつもりだったのだろうか。

 「んじゃ・・・はい、これどーぞ」
私は懐を探り、出てきた刀の柄を水月に投げ渡した。
 「・・・?」
私が渡したのは刀の“柄”。
持ち手の部分のみだ。
もちろん鋭く光る刀身があるわけではないので水月が疑問をもつのもうなずける。

 「・・・?」
 「…その刀、使わないからあげるよ」
この刀は柏の住居に入った際、医療関係の書物や巻物などと一緒に拝借したものだ。
特に私は使わないので刀使いに使ってもらったほうがこの刀も嬉しいだろうと思い、渡したのだ。


 「・・・刀?これが??」
 「うんv」
 「・・・??」
更に水月の疑問は深まったようだ。
 「今、使いたい刀の形状と能力を思い浮かべてみて」


 「・・・」
 「・・・」

 「・・・」
 「・・・」

 「サチ、何も起きないんだけ…」ブゥゥン
 「…ど?」
水月が諦めかけたその時、刀に変化が起き始めた。

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