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黒白ノ風
359 戦地
 「・・・」
必死に探してもなかったのに。
探さなくなった途端に私の前に現れた。
ホントに何なんだ。

こんな血に塗れた場所が私の故郷なのか。
私が必死に探していた場所なのか。
ただ単に食糧不足で滅んだと真白から聞いていた。
しかしこの有様は何だ。
戦闘があったとしか思えない。
餓死という生温い死に方ではない。
・・・考えても、新たな疑問が湧くだけだ。

キリがないので微かな希望を胸に一件一件家を見て回ることにした。
血に染まったクナイ、手裏剣。
死んでいる人は、よくよく見るとだいぶ月日が経っているようだった。

 「うっ…」
気持ちが悪くなってきた。
胸をおさえ、壁に手をつきながらよろよろと歩く。

ふと目に止まった一冊の本。
ペラ…
日記のようだ。
これまた赤く染まっていたが何とか読めそうだ。

一旦家の外に出て手近にあった壁ゆ寄り掛かり、内容を確認した。

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