黒白ノ風 360 中身 「・・・」 無心でページをめくる。 至って普通の日記だ。 そして内容を見て確信する。 やはりここは柏の住居だと。 「・・・ぁ、」 クロ…さん? 柏一族の歴史の昔話の途中、真白もよく言っていた人の名前が出てきた。 本名はクロではないらしいが、あだ名がクロだったようだ。 『やはりクロさんは頼りになる。外敵から柏を守るために結界を作って下さった。何故………はあのようなことを言ってきたのだろうか』 一部分読めない場所があったが内容も一致する。 ペラ… 『あれから幾日かたった頃、いきなりクロさんが姿を消した。一体何処へ行ってしまったのだろうか』 真白が40年前に呼び出した時か。 ペラ… 『クロさんは見つからない。今日、探しに結界の外へと出てみたら…』 「・・・ぇ」 結界の“外”へと出てみた…? クロという人がいなくなったいうのに結界から出れたのか。 とにかく読み続ける。 『…探しに結界の外へと出てみたら、風景が全く違っていた。近場に新しい建物が出来ていた。人の顔岩が3つ見えた。怖くなったので今日は一旦柏の結界へと帰った。』 「・・・?」 内容がいまいちよく分からない。 ペラ… 「・・・」 どんどん日記を読み進んでいく。 「・・・」 隅から隅まで読み切りる。 「・・・」 コトン 最後のページも読み終え、今まで読んできた内容に放心し、力ない手からは日記が滑り落ちた。 [←][→] [戻る] |